水草展2017ブログ
筑波実験植物園

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2017/8/17(木)

レイアウターの眼

エイチ・ツーの松本です。
研修展示館1階で展示されている、アクアライフ8月号との連動企画のご紹介です。

6月の晴れた月曜日
田中先生の案内で野生の水草調査の旅に出た3人のレイアウター
(ビオグラフィカ奥田英将/アクアフォレスト轟元気/エイチ・ツー早坂誠)
あの日、旅先で出会った景色を三者三様のレイアウトで水槽の中に表現します!

そんな展示が、研修展示館にある3つのレイアウト水槽です。(旅の様子は、展示パネルとともに、アクアライフ8月号もぜひご覧ください♪)

レイアウトは水草展の直前に制作しています。
みなさま、2時間くらいでバシッと仕上げていかれました◎このときは知らなかったのですが、後日、奥田さんから制作時に考えていたことを聞いてとても驚いたのでご紹介したいと思います。見るだけじゃ気がつかなかった!

まずは、石のお話。
「実際より明るく演出する為に採取した石から明るい色の物をセレクトしたり、実際には無い流木を入れて苔を載せたことで水景に締まりをつけています。砂地の川底で速い流れの中にたくましく生える水草は小石に根を絡めて育っているんだよ!」

レイアウトに選んだ小石に太い根をはるセキショウ。これだけ太い根があるなら水質を安定させるだけの栄養吸収力があると予測したのも選んだ理由の1つ。他の草は根がはるのが難しくても、セキショウなら10日間の水質安定に貢献してくれるかなと計算してレイアウトを構成しているそうです。先読み万全!!です。
さらにセキショウのまわりにバクテリアをまいて、根腐れしないようにひと工夫。

濃い緑で深みを表現し、手前の砂やコケの淡い緑との対比で立体的に見えるような構図にしていますとのこと。
それを聞いて眺めると・・・解説のとおり!

ライトの光でコケの一部がキラキラと光る様子は調査地の川の記憶と重なります。