水草展2017ブログ
筑波実験植物園

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2017/6/26(月)

姿形を変える水草たち

こんにちは、筑波大学の轡田(くつわだ)です。

自分は水草展2017で異形葉の展示の担当をしているので今回は水草の異形葉について紹介します。

水草は湖沼や川で生育していますが生育地の水位が下がり、湿地のような状態になることもあります。そこで様々な環境下で生育するために、水草は1つの個体が2種類以上の葉を出すことがあります。

これはウォーターウィステリアという水草です。写真でわかるように一つの茎にまったく形の異なる2種類の葉がついています。下部についている葉は沈水葉という水中の葉で、上部についている葉は抽水葉という水上にできる葉です。この二つの葉の違いは形だけではなく、抽水葉は沈水葉に比べてクチクラに覆われており乾燥に強い、あるいは、表面積を増やして水中からの二酸化炭素の取り込みを促進するために細かく裂けたりする、といった特性があります。

この水草はロタラの一種です。空気中にある抽水葉は幅が広いのに対して水中にある沈水葉は幅が狭いのが特徴です。実際に触ってみると抽水葉のほうが葉は厚く、明らかに質感が違います。

今回の水草展2017では異形葉を持つ様々な水草を展示します。今回はお伝えすることができなかった異形葉についての不思議を会場ではさらに紹介できると思うので是非足を運んでみてください。