水草展2017ブログ
筑波実験植物園

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2017/7/10(月)

水草の保全を考える

こんにちは、筑波大学の槐です。水草展まで残り1ヶ月ほどになり、パネルの作成や水槽の準備でばたばたしております。

今回の水草展のサブタイトル、みなさんお読みになりましたか?

2015年は「海に生きる水草」でしたが、2017年は「まもろう!野生の水草」です。水草の約40%が絶滅危惧種に指定されており、今後なんの対策もしなかった場合、野生でその姿をみることができなくなるかも知れません。

以下の写真はナガエミクリという水草の花です。私の調査地では多く見かけることができますが、全国的にみればその個体数は減っており、準絶滅危惧種に指定されています。

野外でなかなか見ることのできない水草の生の姿をお見せしたい!
そのため、今回の水草展では絶滅危惧種に指定されている水草だけを扱ったコーナーを作成予定です。普段は圃場で栽培しており、展示されることのない水草も登場します。

例えばこちらのマルバオモダカ、約1年前から栽培しており今年も元気に育っています。写真は昨年の様子で、花序が立ち上がったところのものです。今年も上手く咲いてくれるとよいのですが。

水草の栽培はとにかく難しいものが多いです。
ですが、生植物を植物園でキープすることはその植物種を保全する一つの手立てでもあるため、水草チームでは試行錯誤を繰り返しながら多くの種を栽培しています。

このような水草たちを水草展2017で見て頂き、水草の保全について少しでも考えて頂けたら、嬉しい限りです。