2015/7/10(金)
バイオミメティクス
水草展リーダーの田中です。
今週初めに、お台場で開かれた高分子学会のバイオミメティクス研究会に出席し、講演をしてきました。
水草と何の関係があるのか?
みなさんが思うように、私も講演依頼があったときに、そして、当日他の演題を見たときに、場違い。。というのが率直な感想でした。
ところが、実は水草でも、すでにこのようなことは行われているのです。たとえばハスの葉。
美しいほどに水をはじきますが、これは表面の細かい構造と物質特性によることがわかっていて、「ロータス効果(ハス効果)」といいます。布や建材などに応用されているそうです。
もっと古くは、オオオニバスの葉の裏の脈の格子構造は、温室の骨組みの設計の参考にされたという話もあります。
何かを作る時には、いろいろな試行錯誤をして、最も良いものを選択する訳ですが、生物の進化はそれを膨大な組み合わせと回数で自然に行っているようなものなのです。そのため、生物から学ぶことはとても効率がよい方法だといえるでしょう。
私の演題は「水草の生態と適応進化」でしたが、そこからこの分野の専門の方々に何かヒントになればと思いました。何かよい展開があることを願っています。
水草展では、
- 海草コーナーでは、岩に付着する仕組み、波に抗する葉の構造、砂に根をはる構造などなど
- アマゾンタッチプールでは、水に浮くための様々な構造(下の写真)
- 暮らしと水草のコーナーでは、すでに利用されている水草
など、考えてみると、バイオミメティクスのヒントになるようなものがいろいろとあるのです。
何しろ水草・海草は、特殊な環境に適応した異端児ですから、きっと人間によって役に立つようなことが見つかる可能性がありそうですね。そんな視点でも、水草展を見てみてください。