2015/5/25(月)
波を作る装置
こんにちは!水草展をお手伝いさせてもらっているグリルの永田です!
今年の水草展のテーマは「海の水草」ということで、その中でも「スガモ」の栽培について書きたいと思います。
ざば~~~ん!!
海! 波! 豪快で清々しいですね。4月に行った写真なのですが、水は冷たく、波は何度も激しく岩に打ち付けています。
しかし、ここに海の水草、スガモはいます。赤丸内の緑色部分がそうです。(茶色の部分は藻類)
近寄って見てみましょう。
緑が美しい。冷たい水で引き締まっているように感じました。長さ約60cmほどの葉は細く、すごくしなやかです。
この環境でスガモはどのように生えているのか、株の根元を観察してみました。岩に根をがっちり張っています。。。すごい。
自然の海における激しい波、海水、岩。他の陸上植物に言わせれば過酷な環境、というのでしょう。しかしスガモは写真のようにいきいきと育っていました。
水草展2015でこの環境を完全再現とまでは無理ですが、ぎゅっと縮めて分かりやすくお見せするために試行錯誤中です。
では、どのような事ができるか。
海における水温、海水、岩、照明は用意できました。
あとは波です。
こ~ん。 景色が一変しましたが、これをヒントに激しく打ち付ける波を作る装置を制作しました。 筑波実験植物園にある日本庭園エリアのししおどしです。
竹筒に水がたまったら、その重みで竹筒が傾き、水が先端から流れ出ます。軽くなった竹筒は元に戻る時、底を石に打ち付けて、こ~んと軽やかな音がなる仕組みです。
まだ試作段階なので見た目は荒っぽいですが、ししおどしシステムを応用した結果です。バケツに一定量の海水がたまると、自動的に傾いて下に生えているスガモにざば~~んと海水を当てます。 まだ実験中ですが、この装置でスガモ全体についてしまう藻類を除去できるのではと考えています。
栽培下だとスガモに藻類がついてしまって生育に支障がでてしまいます。海の写真のスガモは凄くつるつるしていて綺麗でしたよね。 そんなスガモをお見せしたく、バケツの高さや、ざば~~んの頻度などを変えたりして状態を観察しています。
ざっくりとですが、下記のように作っていきました。
ドリルを使って、いらないバケツにパイプを通す穴をあけます。ここが一番難しい所です。パイプをバケツに貫通させた時、バケツが傾くか傾かないかの位置に穴をあけなければなりません。穴を開ける前に両手の指で持ち上げて、バランスがいいところを見極めます。
反対側にも穴を開けます。位置がずれないようにお祈りしながらドリルで、
ぽか~ん。
開きました!成功です。向こう側の穴も見えますね。よかった。
パイプを通しちゃいます。
無事に、期待したバランスを保つことができました。あとは下の写真のようにセットすればOKです。本番ではもっと綺麗な装置をお見せする予定です。
いかがでしたでしょうか?海の植物、スガモ。そこには海でたくましく生きるための仕組みがあるそうなのです。
水草展では、皆様にそのことを分かりやすく、楽しく知ってもらえるようにスタッフ一丸となって頑張っています。他の海草も一度に多く見ることができますので是非おこしください!