水草展2015ブログ

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2015/6/19(金)

たったこれだけ?!

筆無精にも程がある、水草展リーダーの田中です。
(タイトルの「たったこれだけ?!」はブログの更新回数ではありませんよ(汗 もっとちゃんとした意味です。。なお、今日からは平日はほぼ毎日更新します!)

今日は、海の水草(海草)に関して依頼された原稿を書いているのですが、その中で説明に使う図を今まさに書いているところです。

これは、被子植物(花の咲く植物)の進化の道筋を示した系統樹というものです。最も左上が被子植物の祖先にあたり、そこから様々な植物のグループが進化してきたことを示しています。

20年ほど前までは、このような系統樹は、それぞれの植物の形などから推測してきたのですが、DNAの情報を調べられるようになってからは、かなり本当に近いことを推定できるようになってきたのです。

じゃあ、これが海草と何の関係があるのか?

このたくさんの植物グループの中で水草が含まれているものを水色で色分けしてみるとこうなります。

こんなに水草っていろいろなグループにあるのですよ!ちょっと驚きじゃないですか?

この図ではさらに細かい部分を書き切れないのでわかりませんが、被子植物全体の中で、200回以上も陸上→水中への進化が起こったと考えられているのです。

で、さらに色分けすると・・・

はっ? 何か違うかって。

間違い探しみたいになってますが、オモダカ目のところをよく見てみると、
一部が青くなっていますよね。これが、海草を含むグループです!

・・・そう、たったこれだけなんです。

世界には約59目620科16000属35万種の植物が知られていますが、海草は1目4科11属49種しかないのです。

ちょびっとしかいなくて、なんだか淋しい植物たちだと思うのもひとつ。でも、私はそうは思いません。

陸上の植物や淡水の水草にとって海の中は、未開の地であり、できるなら進出したい場所であったはずなのです。でも、陸上や淡水に住み慣れた植物にとって海の中は進出するには難攻不落の場所だったと思われます。

そう考えると、海に進出できた海草たちは、水草の中でも極めてたくましく優秀なものたちという気がしませんか。超貴重な進化の産物なのです。

そんな海草がどうやって海で生活できるようになったのか?水草展では生きた海草を見て触れて、その答えをぜひ見つけてください。