水草展2015ブログ

水草展トップへ

2015/5/19(木)

動物のお話

はじめまして!
水草展のお手伝いをさせていただいている角田(つのだ)と申します。

突然ですが、皆さんは水草を育てるのに何が必要だと思いますか?

水槽、砂やソイル、フィルター、ライトなどなど...たくさん思いつくかもしれません。もちろんこういったものは水草を育てるのに欠かせませんが、実は「動物」もなかなかに重要なのです。

今回は、今年のテーマである「海草」を育てる助っ人の動物たちについて、少しご紹介いたします。

まずは巻貝の一種であるマガキガイです。

彼らは上の写真のように長い口を伸ばして、水槽のガラス面や海草の表面に着いた藻類を食べてくれます。水草を育てることは藻類との戦いでもあるので、これは非常に助かります。 見た目は猛毒を持つイモガイの仲間に似ていますが、とってもありがたい貝なんです!

次にあげたのは、これまた巻貝の一種であるクモガイです。

クモガイもマガキガイと同じように、藻類をせっせと食べてくれます。しかも体がとても大きいので、そのパワーも抜群です!クモガイが水槽内で移動するだけでも、砂がほどよくかき混ぜられて、藻類の発生を抑えているのではないかと僕は考えています。

クモガイのいる水槽では、砂の表面や海草の表面に藻類があまり見られません。 僕らはこのクモガイに大きな期待をしているところで、色々な水槽に出張してもらっています...(笑)

最後は皆さんもご存知のナマコです。

これはおそらくクロナマコという種です、多分。長らくニセクロナマコだと思っていましたが、体に砂をつけるのはクロナマコの特徴のようです。

ナマコの向こう側に砂の塊が見えると思いますが、なんとそれがナマコの糞です!つまり、ナマコは砂を食べて、砂を排泄しているわけですね。

ナマコが表面の砂を食べてくれるおかげで、ナマコのいる水槽は砂に藻類がつくことがありません。また、ナマコは思ったよりもよく動きまわりますから、クモガイと同様に、砂をかき混ぜる役割も果たしているかもしれません。

というわけで、今回は、沖縄のような温かい海で見られる動物を取り上げました。いかがでしょう?水草を育てる上では、動物も重要な役割を持っていることをご理解いただけたでしょうか?

上で紹介したような動物は、実際に海草の生えている場所へ行けば、ごく簡単に見つけられるようなものばかりです。

海草の群落とそこで暮らす動物というのは、僕らが思っている以上に、お互いに支え合って生きているのかもしれませんね。