2024/7/24(水)
水草ならなんでも良いの?
水草展リーダーの田中です。
アマゾン川のほとり、水草の王者オオオニバスです。でも、葉の上・・・ちょっと違和感ありませんか?
アマゾン川のオオオニバス
寄ってみると・・・
卵、そして様々な水草
オオオニバスの葉の上に、卵、そして様々な水草です。ホテイアオイ、ボタンウキクサ、ルドウィジア、サンショウモ属、アオウキクサ属、アカウキクサ属と、周囲に生育する水草をそのまま葉の上に集めて、鳥が巣を作っていたのです!
鳥は現れず、種はわかりませんでしたが、集められた水草のフレッシュ感と、オオオニバスの葉の更新が速いことがわかっているので、その刹那感とが相まって、何とも印象的な光景でした。
日本にも、水草を使って巣をつくる鳥がいます。
日本の水草でも営巣する鳥
これはカイツブリ。巣材には、ツツイトモや枯葉が見えます。
カイツブリの巣。栃木県の池
こちらもカイツブリ。栃木県の池で、巣材はヒメガマとカンガレイです。
水草展の会場である筑波実験植物園の水生植物区でも営巣がみられた
筑波実験植物園の水生植物区でも、おそらくカイツブリと思われる巣が見つかりました。こちらはマコモが使われていました。
そうすると、細長い葉が巣材に適しているのかと思いきや、
平べったい鳥の巣。青森県の湖
青森県の湖では、平べったく大きな葉のコウホネが土台のほとんど(表面はおそらくマコモ)を占めていました。(鳥は、カンムリカイツブリである可能性があるということです)
つまり・・・
意外と“周囲にある”ものを使っているようで、タイパが重要なのでしょうか?
だとしたら、よく探すとこんな水草で作っているのか!というような変わった巣も見つかるのかもしれません。ちょっと気にして探したら面白そうです。
水草展では、カイツブリと巣の標本や子育ての映像を展示します。もしかしたら、水生植物区でカイツブリの親子が見られるかもしれません。