2013/7/23(火)
世界最小の花、見ちゃいました!水草展リーダーの田中です。
また開花ネタかよ、とお嘆きのあなたには申し訳ありませんが、
水草の特殊な花は私の琴線に触れるようで、疲れも吹き飛ぶ嬉しい出来事です。
先週の金曜日、植物園の圃場で栽培しているミジンコウキクサを見たら、なんかいつもと雰囲気が違う……光の反射?大きさ?よくわかりませんが、水草研究者の勘を信じて、実験室に持ち帰りました。
そして、顕微鏡で観察した私を興奮させたのは、これです。ジャーン!
……???
ですよね。
この緑色の楕円形のものは、ミジンコウキクサという水草で、水面に浮いて生活します。
地球上に存在する27万種(名前の付いていないものも含めると35万種)の陸上植物(コケ植物、シダ植物、種子植物)の中で、最も小さい植物が、ミジンコウキクサです。
その大きさ、長径0.3~0.8mm、短径0.2~0.5mm、高さ0.2~0.6mm、重さは150μg!という極小ぶりです。
もっと拡大すると…
ミジンコウキクサの中心あたりに、丸い穴が開いて、花が咲いているのです!
最初に緑色の柱のような雌花(1つの雌しべだけで出来ています)が咲き(写真の左上)、雌花が咲き終わると、横から雄花が立ち上がってきて、粒状の花粉が放出されます(右)。真ん中の花は、花粉を放出し終わったおしべの状態です。
真横から見るとこんな感じです。
さらっと掲載していますが、これ、結構貴重な写真たちです。長いこと水草ばかり研究している私でさえ、(レンズを通した)肉眼で見るのは初めてなのですから。
水草展では、写真はもちろん、本物を顕微鏡で見ていただこうと思います。
その時に花が咲いていれば…ですが、実際に見られる機会はめったにないので、
運を信じてご来園下さい。