2013/7/11(木)
守る水草・コシガヤホシクサこんにちは! 水草展を手伝っているNPO法人アクアキャンプの永田です。
本日は守る水草のコーナーとして、コシガヤホシクサのことについてお話しします。
アクアキャンプは、筑波実験植物園とともにコシガヤホシクサという野生絶滅種を
野生に帰すというプロジェクトを、6年間つづけてきました。
コシガヤホシクサは、埼玉県越谷市で最初に発見されたことからその名前がついています。しかし越谷市においても一ヶ所しか記録されておらず、最後の自生地となった茨城県下妻市砂沼も合わせると、世界で二カ所でしか記録されていません。
その砂沼でさえも、ある一部分でしか記録されていないという貴重な水草です。
砂沼の野生絶滅前に地元の高校の先生が栽培保全していたコシガヤホシクサの株を、筑波実験植物園の田中研究員が譲り受け、種子を栽培増殖させて野生復帰に利用しています。
ただ種まきをするだけではなく、水質調査や、土壌調査を行い、場所による生育の違いを研究し、より効率の良い野生復帰方法を探っています。さらに、この積み重ねられた野生復帰のための調査のノウハウは他の絶滅危惧水草にも応用ができます。
私は野生復帰当初から活動していますが、一度野生から絶滅した植物を野生に帰すというのが凄く大変なのを実感しています。
花は白くて小さくかわいいのですが、近くによってルーペでないと見ることができません。
しかし、コシガヤホシクサの花が本領発揮するのは、その小さな花が集まった白い花序が一個体に10本くらいついて、それが何十、何百個体も開花したときです。
その丸い花序が星のように見えてとても美しいのです。ちなみに花が星のように見える事から漢字だと星草とかきます。
このコシガヤホシクサは現在、筑波実験植物園の中央広場にて見ごろとなっています。
水草展でも調査道具の展示など行う予定です。
水草を守る。水草を研究する。水草を観せる。
一口に、水草といっても関わり方は様々です。
水草展を多様な見方してみるのもお勧めです。