2021/8/19(木)
世にもまれなきのこ映画?
みなさんこんにちは。きのこ担当の保坂です。
この秋、まさに「きのこ展」の開幕に合わせるようにして、世にもまれなきのこ映画の公開が決まりました!その名も「素晴らしき、きのこの世界」。上映開始は、なんときのこ展開幕前日の9/24(金)!
詳細は以下よりご確認ください。
映画の内容をあまり詳しく紹介するとネタバレになってしまうので、この場ではあまりお伝えできませんが...なかなか見ごたえのある映画です。きのこが力強く伸びてくる様子や、胞子を飛ばす場面など、きのこが生きている、ということを強く感じさせてくれる映像が満載です。さらに映画の後半にかけて、きのこを取り巻くサブカル的な世界も存分に楽しむことができます。菌類を研究している自分からすると、内容の一部に「?」を付けたくなる科学的に少しアヤシイ場面もあるのですが、全体を通してとても楽しめる映画であることは確かです。
なぜこの映画のことをこんなに詳しく知っているかというと、何を隠そう、映画の字幕監修を務めたのは僕なのです!上記のホームページも細かく見ると、ちゃんと「字幕監修:保坂健太郎(国立科学博物館 植物研究部)」の文字が入っていますよ。
誤解がないようにお伝えしますが、字幕を作成したのは僕ではありません。僕自身はできあがった字幕の内容(菌類学的に正しいか)を監修したのです。でもその過程でオリジナルの映画も10回以上観たので、現時点では日本で一番この映画に詳しい人間のひとり、かもしれません。映画に字幕が入り、できあがっていく過程を、とてもワクワクしながら体験することができました。
オリジナルは2019年にアメリカで公開されました(原題は “Fantastic Fungi”)。ですので新型コロナウイルスが全く話題になっていない頃です。ただし映画には、将来のパンデミックの危機を訴える場面も。もしこの映画が今作成されていたら、内容も受け止め方も全く異なるものになったかもしれません。
今年のきのこ展は写真がテーマなので、少し視点はズレますが、せっかくの機会です。展示会場ではこの映画についても一部上映するなどして紹介する予定です。全国一斉上映開始、ではなく、全国で順次公開、ということですので、みなさんのお住まいの近くで上映が決まったら、ぜひご覧ください。映画のパンフレット原稿も担当しましたので、そこでこの映画に対する思いのたけ(不満も称賛も)をぶつけています。
最後に、この映画にも登場するきのこを3種だけ紹介します。
マンネンタケの幼菌。筑波実験植物園に生えた個体です。
ダイダイガサ。シイタケのほだ木などにも生えます。
トキイロヒラタケ。淡いピンク色がきれいな種。ほとんど白色だったり、とても濃いピンク色だったり、とバリエーションに富む色合いが特徴です。