2018/9/28(金)
きのこ展、いよいよ開幕へ!
皆さんこんにちは。きのこ展担当の保坂です。
9/25(火)のブログ記事でも紹介されていましたが、植物園のきのこがすごいことになっています。僕自身も長年植物園のきのこ調査を続けていますが、これほどまでに大量のタマゴタケが発生した年は記憶にありません。なにしろ大量のタマゴタケが、あちらこちらで巨大な菌輪(フェアリー・リング)を作っているのです!
それでは、発生しているきのこのうち、9/25(火)のブログ記事で名前がわかっていなかったきのこの答え合わせをしてみましょう。
まずはこの巨大な(カサの直径30センチ近い!)このきのこ。
これは推察の通り「ヤマドリタケモドキ」。もう一つよく似た「ヤマドリタケ」というきのこもありますが、関東地方の平野部に生えるのはまずヤマドリタケモドキです。どちらもポルチーニと呼ばれる一群です。夏に多いきのこですが、今年はまさに今、あちらこちらで巨大なヤマドリタケモドキが発生中!
そして、テングタケの仲間、として紹介されていたこのきのこ。
これは薄黄色のカサが特徴の「ウスキテングタケ」。植物園内では東大通り沿いのシラカシ並木に大量発生しています。テングタケの仲間も夏に多く発生する傾向にあるので、きのこ達にとっては今のつくばは、まだまだ夏なのかもしれません。
そして、落ち葉の間から生えていた小型のきのこ。
これはモリノカレバタケの仲間。種数が多く、種の特定は難しいものが多いのですが、おそらく「ワサビカレバタケ」もしくはその近縁種だと思われます。きのこ展中も、このように落ち葉から生える小型のきのこが多数発生することでしょう。
そして、変わったタマゴタケとして紹介されていたこちら。
これは、タマゴタケが他の菌に寄生された状態です。テングタケ類やイグチ類には特定の寄生菌がつくことがあり、このタマゴタケももしかしたら、単にカビたのではなく、テングタケ類特有の寄生菌に寄生されているのかもしれません。
そして、ホウキタケの仲間とされていたこのきのこ。
これは「フサヒメホウキタケ」。名前にホウキタケと付きますが、進化的には全く異なるグループで、こんなサンゴのような見かけをしているにもかかわらず、ベニタケ類(ハツタケや最近中毒例が報じられたニセクロハツなどを含むグループ)に近縁な種類です。
そして地面から生える棒状のきのこ。
これは「シロソウメンタケ」です。植物園内にはこれだけでなく、深紅色の「ベニセンコウタケ」なども生えています。
その他、多数のきのこが生えています。ぜひきのこ展に来たら、展示されているきのこだけでなく、ゆっくりと植物園内を探索して、自然に生えている状態のきのこを観察してみてください。
いよいよきのこ展最初の週末がやってきます。様々なイベントが目白押しですが、以下簡単にご紹介します。
- 園内きのこ案内
- 期間中は毎日実施します。予約不要です。
9/29(土)は11:00~および13:00~いずれも30分程度。13:00の会には手話通訳がつきます。9/30(日)は13:00~です。それ以降、平日は毎日12:00~実施。10/1(月)の回にも手話通訳がつきます。 - ギャラリートーク
- 9/30(日)11:00~の回は、「里山のきのこ」(幻冬舎ルネッサンス)などの著作もある本田尚子先生による「きのこ水彩画解説」があります。本物のきのこと先生の作品を前に、どんな話が聞けるのか、ぜひお楽しみに!
- きのこのプラバンストラップと版画作成
- 期間中の土日祝日のみの開催です。大人気イベントなので、整理券配布による当日先着順とさせていただきます。
整理券配布は9:30~(午前中の回)および12:30~(午後の回)なので、参加ご希望の方は配布前になりましたら教育棟内にあるイベント会場までお越しください。 - きのこレストラン
- 中央広場には毎日いろいろなレストランが出店します。晴れた日には広場の芝生にすわりながら、ゆっくりとした時間を過ごしてみていかがでしょうか?
そして日曜日限定のイベントは「マッシュルームつかみどり」。有料のイベントですが、スーパーではあまり見ることのできないジャンボマッシュルームを自分で摘み取ってお持ち帰りいただけます。これまた大人気のイベントなので、毎年午前中には全てのマッシュルームが摘み取られてしまいます。参加ご希望の方は、ぜひ日曜日午前中の来園をお勧めします。
その他、きのこ展の2回目の週末には、さらに魅力的なイベントも予定されています。台風の進路も心配なところですが、まずは最初の週末にみなさまとお会いできることを楽しみにしています!