きのこ展2018 ~みんなでさぐるきのこのふしぎ~
場所:国立科学博物館筑波実験植物園

2018/9/4(火)

国内のいろんなきのこ、紹介します。

皆さんこんにちは。きのこ展担当の保坂です。

酷暑がひと段落して、ようやく少しだけ涼しい日々がやってきました。でもまだまだ林のなかは乾燥気味。本格的な秋のきのこシーズンまでは、まだしばらくかかりそうです。

植物園を中心とするきのこ調査は継続していますが、きのこの発生状況はあまりよくありません。というわけで、本日は少しだけ遡って、今年採れたきのこをいくつか紹介します。

まずは、いかにも不気味な真っ赤なこのきのこ。

カンゾウタケ
カンゾウタケ(4月24日@国立科学博物館附属自然教育園)

これはかの有名な猛毒きのこ、カエンタケ...ではありません。これは食用にもされる「カンゾウタケ」。きのこでは珍しく、生で食用にされる場合もあります。ナイフで切ると、切断面はまるでサシの入った牛肉そっくり。英語圏では “Beefsteak fungus” とも呼ばれます。春~初夏にかけて、主に大きなスダジイの幹から生えてきます。

次に、同じく真っ赤なこのきのこ。

タマゴタケ
タマゴタケ(6月27日@筑波実験植物園)

これはテングタケ科テングタケ属の「タマゴタケ」。テングタケ科には猛毒きのこが多く、ドクツルタケやタマゴテングタケなど、1本食べたら大人でも死んでしまうような種がたくさん知られています。その中でも群を抜いて毒々しい姿のタマゴタケは、なんと美味しい食用きのこなのです。筑波実験植物園では毎年梅雨の時期ときのこ展の期間中に、見事な群落を見ることができます。ぜひ今年のきのこ展中も生えてほしい!

そして、ちょっと変わった形のこのきのこ。

サンコタケ
サンコタケ(7月11日@筑波実験植物園)

これは「サンコタケ」というスッポンタケの仲間のきのこです。細長い腕が3~4本生えているから「三個茸」ではなく、正しくは「三鈷茸」です。三鈷、というのは仏教で使われる法具のひとつで、その形に似ているということから名付けられました。筑波実験植物園ではきのこ展の時期にも発生しますが、どちらかというと近縁種の「カニノツメ」の大群落を見てもらえるかもしれません。そして両種ともとてつもなく臭い!その臭いでハエをおびき寄せる、ということに納得です。

今年は日本国内でも、特に海岸部のきのこ調査を頻繁に行なっています。海岸にきのこなんて生えるの?と思うかもしれませんが、意外ときのこはたくましく生きています。例えばこのきのこ。

スナジホウライタケ
スナジホウライタケ(7月12日@房総半島)

海岸の砂浜に生える、ちょっと萎れた「スナジホウライタケ」です。海岸は陽射しがきつく、常に塩水をあびるので、真水が必要なきのこやその他の植物にとっても、非常に過酷な環境です。そんな環境に生えるきのこは、塩水に対して耐性があるのはもちろん、もしかしたら海流に運ばれて分布を広げるのかもしれません。

次回は海外のきのこを紹介したいと思います。

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