きのこ展 2023 ―日本のきのこ学をつくってきた巨人たち― ブログ

会期 2023年10月21日 土曜日から10月29日 日曜日まで(会期中無休)開園時間 9時から16時30分 入園は16時まで 筑波実験植物園

2023/10/16(月)

日本のきのこ学をつくってきた巨人たち その2

みなさんこんにちは。きのこ担当の保坂です。

今回紹介するのは池田良幸(いけだ よしゆき)です。1930年に石川県で生まれ、生涯を通じて石川県を中心とする北陸地方のきのこ研究にあたり、2021年にお亡くなりになりました。実は、今回のきのこ展のテーマを「日本のきのこ学をつくってきた巨人たち」としたのは、池田先生の功績が大きな理由のひとつなのです。

国立科学博物館には10万点を軽く超える菌類標本が保管され、日本そして世界中の菌類研究者に活用されています。これらの標本は全て科博の研究者が採集したものではありません。他の研究者が採集したものが、最終的に寄贈というかたちで科博に保管されてるものもたくさんあるのです。池田先生によるコレクションも、そんなまとまった寄贈標本の一部で、現在までに約7000点が収められています。

重要なのは、この標本は池田先生による大著「北陸のきのこ図鑑」(2005年、橋本確文堂)の記述の元になっているということです。つまり、北陸のきのこ図鑑の証拠標本というわけです。

北陸のきのこ図鑑

そして、池田先生がお亡くなりになった後、これら標本に関連する他の資料も科博に寄贈いただける、というお話しをいただきました。その中には北陸のきのこ図鑑で使われた水彩画(スケッチ)の原画や観察記録、その他学術的に貴重な資料が多数含まれていました。

ヌメリコウジタケの原画

ヌメリコウジタケの原画

今回の展示では、大量のスケッチとともに、池田コレクション(乾燥標本)、観察記録、図鑑の原稿、生前に使っていた調査用具などを展示解説します。

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