2014/12/1(金)

花も化石に?!

みなさんこんにちは、地学研究部の矢部です。矢部先生

花も化石になるんですか?という質問をたまにいただきます。現代の花でもすぐにしおれてしまうのに、化石になんてならないんじゃないか?と思うのは当然ですよね。実際、花の化石はあるにはあるのですがとても珍しくて、自分でもほとんど採集したことがありません。

でも最近、世界中で1億年近くも昔の地層から花化石が見つかり、非常に活発に研究が行われているのです。

見つかっているのは白亜紀という時代のもの。恐竜が大地を闊歩していた頃のことです。この頃の花はとても小さかったことが知られていて、化石も当然、とっても小さいです。

顕微鏡でないと見ることのできないサイズの化石を微化石(例えば花粉)と呼ぶのに対して、普通に目で見える大きさのものは大型化石と呼びます。その中間くらいと言うことから、この時期の花化石は(一緒に見つかるほかの化石も含めて)メソフォッシル(メソ=中型の、フォッシル=化石)と、「敬意をもって」呼ばれています。私がこれまでに見たことのあるものは、長さが数mm程度。ご飯粒よりもふた周りくらい小さいくらいと言ったところでしょうか。こんな小さなものがどうやって化石になったのか、そして、そもそもどうやって見つけたのか、とても不思議に思いませんか?

メソフォッシルができた秘密は、山火事にあったと言われています。山火事で適度に燃やされた花が、燃やされたおかげでしおれることなく地層に保存されたというのです。その背景には、白亜紀という時代が異常に暖かかったことがあったと考えられています。皆さんも是非メソフォッシルをその目で見て、本当にそうかどうか、考えてみてください。

メソフォッシルの一例

写真:メソフォッシルの一例。丸い銀色の台の中央が化石。台の大きさは直径約1.5cm。

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