2014/11/28(金)
前回のブログで、化石には石のように硬くなっていないものもあるんだと紹介しましたが、もちろんやっぱり硬い化石もあります。
化石ができるためには地層の中で保存される必要があるのですが、保存されている途中に様々な成分が遺骸の中に浸み込みこみます。浸み込む成分によって、化石や、ときにはその周囲の地層が硬くなることがあるのです。こういった作用を鉱化作用と呼んでいて、この作用でできた化石がタイトルの「鉱化化石」というわけです。
鉱化化石で一般的なのは珪化木ですね。この場合、木に珪酸分(シリカとも呼びます。シリカゲルのシリカです)が浸み込んで文字通り石に変わっていますが、ほかにも炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが浸み込む例も知られています。同じような作用は、もちろん、木以外でも、種や葉でも起こることがあります。
鉱化化石の面白いところは、なんといっても、細胞レベルまで保存されているところですね。木の年輪はもちろん、水や養分の通った穴や、種の表面の皮など、現代の植物と同じ?いえ、もしかしたらもっときれいかもしれない、なんて思ってしまいます。私たちはこうした中身をみて、化石の種類を調べるんです。
珪化木がよく宝石として売られているのは知っているでしょうか?鉱化化石がきれいなのは、中が充填されて緻密なだけでなく、鉱物成分が浸み込むときに、周りにあったほかの成分も入り込んで、化石に色を付けるからです。
「植物化石展」では、たくさんの鉱化化石を展示します。鉱化化石ならではの化石の中身に是非注目してください!
写真:鉱化したマツボックリの断面(約1億5千万年前)。画面左側を上下にのびるのはマツボックリの真ん中の軸で、右側にいくつもの“かさ”がでている。丸いのは種。