2021/7/28(水)
つくばの水草(その2)
筑波大学のNです。 前回(7月15日のブログ記事)に引き続き、「つくばの水草」をご紹介いたします。
前回はつくば周囲で絶滅危惧種を多く含む様々な水生・湿生植物が生き残っていたことを紹介しました。
ナガバノイシモチソウ
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ヤナギスブタ
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などです。
しかし、喜んでいられる状況ではありません。
殆どの種において産地は孤立しており、株数もわずかでした。産地を見つけた直後に全滅したことすらあります。
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炎天下の中一日中自転車を漕ぎまわしてようやく見つけたトチカガミです。花を撮影できなかったので次の週見に行ってみたら除草されていて、二度と生えてきませんでした。これ以降この周囲3㎞でトチカガミを見ていません。

前回の水草展(2017年7月14日のブログ記事) から数年、相変わらず全く何も生える気配がないつくば市某所の公園です。。。昔は水草が生えていたと、かつての写真を見るまで信じられませんでした。
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霞ケ浦です。かつては沈水植物の楽園だったといいますが、今となっては信じられません。2018年にマツモとアサザを目視したものの2019には全滅、それ以降、ほんの数株の園芸スイレン以外の浮葉・沈水植物を見たことがありません。そのうえソウギョやワタカといった、水草を好んで食べる外来魚が沢山いて、たとえ埋土種子が発芽してもすぐ食い尽くされてしまいそうです。
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かつて水草で有名だった宍塚大池も2020年にザリガニの大発生に見舞われ、2021年現在もわずかに芽生えたヒシしか見当たりませんでした。
事前情報がある産地はほとんどが既に壊滅していて、かつての情報を聞くと寂しい限りでした。壊滅の原因としてはザリガニの大発生、除草剤が水路に流れたなど直接的な原因が明らかなものもありましたが、直接的な原因が見当たらないものも多く、不気味です。外来水草ですらこうした激変には対応できないのか、カボンバに関してはこの周辺から消失した可能性が高いと思います。オオカナダモもいまや稀で、コカナダモですらめったに見ません。水田や水たまりはともかく、池や川でみられる植物はほとんどの場所でガマ、ヨシ、マコモの3種だけで、ヒシですら見つけると喜んでしまう自分に悲しくなります。しかしそのぶん、これら以外の水草を見つけたときの嬉しさもひとしおです。
今回の水草展では、前回展示できなかったつくば付近の多種多様な水生・湿生植物を紹介します。しかし、このままだと次の水草展の頃には今度こそ展示する水草が本当になくなってしまいそうです。何か対策を打たれることを願いたいです。