水草展2021ブログ

2021/7/16(金)

絶滅しそう・・・

水草展リーダーの田中です。

逆に嘘っぽいタイトルですが、本当です。
7月9日のブログでカワツルモを取り上げましたが、その研究の中で発見されたネジリカワツルモという水草が日本から絶滅しそうなのです。

ネジリカワツルモ(撮影:中川清太郎)
(撮影:中川清太郎)

この水草は、私たちが行ったカワツルモ属の研究から、オーストラリア南部から渡り鳥によって8000kmもの距離を運ばれてきたことが推測されています。この衝撃的な結果は、水草の長距離移動の秘密をさまざまに解き明かすきっかけにもなりました。

ネジリカワツルモは、北半球では日本の佐渡島と、ロシアのウラジオストックでのみ知られていますが、佐渡の地元で長く観察されている中川清太郎さんによれば、この5年ほど姿が見えないというのです。

となると、佐渡島のネジリカワツルモで生き残っているのは、中川さんが栽培されているものと、

ネジリカワツルモ(撮影:中川清太郎)
(撮影:中川清太郎)

筑波実験植物園で栽培しているもののみ

ネジリカワツルモ

ということになってしまいます・・・

自生地の水底に眠った種子があることを願いますが、それにしても極めて危うい状況です。

今回、この生きたネジリカワツルモを展示しますので、ここでしか見られないその勇姿をぜひご覧ください。

本当に絶滅してしまったタカノホシクサの標本や、野生から絶滅してしまった水草、絶滅寸前の水草なども研究成果と合わせて展示します。