きのこ展ブログ

2014/10/30(木)

きのこ展無事終了。ありがとうございました

みなさんこんにちは! きのこ担当の保坂です。
そして、地衣類担当の大村です。

ついに9日間におよぶきのこ展が終了しました。
大勢の来園者でごった返していたきのこ展が終わり、植物園には再び平和な(?)日々が訪れています。

筑波実験植物園の平和な(?)日々

今年はなにしろ天気に恵まれました。昨年までは大雨がつきもので、さすがに何かに呪われている気にもなりましたが、今年の週末は見事な晴れ。平日に2日ほど雨の日がありましたが、その他は最後の日曜日を含め、とても良い天気が続きました。おかげさまで、過去5年のきのこ展でもっとも入園者数が多い回となりました!

心配されたきのこの発生も、日本全国から新鮮な野生きのこを郵送してくれた方々のおかげもあり、また最後の週末前にはつくば市内で超大量(一か所に軽く500本以上!!)のイボテングタケが発生したり、と幸運が続き、常に盛りだくさんのきのこを見ていただけたのではないかと思います。

今年のきのこ展のテーマは、きのこの仲間だけどコケっぽい「地衣類」にスポットを当てて、コケ植物との違いやきのこ類との共通点、そして地衣類の特徴について解説しました。

地球上で知られている菌類は約10万種、きのこ類は約2万種、そして地衣類も約2万種!きのこ類に匹敵する多様性がありながら、あまり意識されることのない地衣類ですが、今回のきのこ展をきっかけに少しでも興味を持って頂けたのであれば幸いです。

きのこと比べると平面的な地衣類をどうやって立体的に展示して楽しんでもらうか・・・。奥行きの感じられるトナカイと地衣類のジオラマコーナーやシャドーボックス様の展示パネルなど、筑波実験植物園始まって以来の工夫も色々と試してみました。

地衣類のパネル展示

工夫と言えば、「3Dプリンタによる地衣類模型」!
できれば完成品で展示をしたかったのですが、製作途中で会期最終日のみの展示になってしまいました。

お客さまからの反響は大きく、小さなものを本物の形のままに大きく見せられる3Dプリンタの実力に感心されていたようです。
モデルの地衣類は手前にある赤マッチ棒のような「イオウゴケ」。3D模型は白いエノキタケみたいだという感想もあれば、ナウシカの森みたいだ!という方もいます。

いつの日か着色した完成品を展示したいと思っています。

イオウゴケの3D模型!

そんなこんなでスタッフのアイディアと苦労が詰まった9日間のきのこ展でした。
展示準備は、開幕の1週間前から本格的に始まりましたが、実際には企画段階を含めると、半年以上前に始まったと言えます。
ですが、きのこ展が終了し、いざ撤収となるとそれはあっと言う間。
あの大量の生きのこが展示されていた多目的温室も、きのこ展終了の翌々日には、元通りに植物が鎮座した状態に!

筑波実験植物園 多目的音質

地衣類展示コーナーで一目を引いていたトナカイはというと・・・、

地衣類を食べるトナカイの展示

その時の勇姿はビニール袋でベールに包まれてしまい・・・、

ぐるぐる巻きになったトナカイ

収蔵庫に戻っていきました・・・。
これから殺虫・虫除けの燻蒸を施されて、次の登場の日まで眠りにつくそうです。

収蔵庫に帰っていくトナカイ

トナカイのいなくなった教育棟はどこか寂し気です。

筑波実験植物園 教育棟

植物園も少し紅葉で色づいてきましたが、本格的な秋はこれからかもしれません。
ですので、まだもう少し秋のきのこを楽しむことができそうです。
そうそう、今回のきのこ展で紹介した地衣類は季節性がなく一年中観察できるので、真冬の植物園でも木の幹やコンクリート、岩の上などにルーペを持って近づいてみると、きのこ展ポスターのようなサイケデリックな世界を楽しめるかもしれませんよ。

ありがとうございました。

今回のきのこ展では、前回までと同様、いやそれ以上に様々な方にご協力いただきました。
全国からきのこを送ってくれたみなさま、展示品を提供していただいたみなさま、きのコンに応募いただいたみなさま、グッズ販売や飲食店のみなさまの存在も、きのこ展が盛り上がった大きな要因だと思います。

期待していたマッシュルームのつかみどりができなかったり、きのこストラップの整理券をもらえなかったり、展示案内は人が多すぎて聞こえなかったり、といろいろな不満もあったかもしれません。それらを踏まえて、今度のきのこ展はさらに充実した内容で開催することができれば、と思っています。

それでは、今度またきのこ展でみなさまにお会いできる日を楽しみにしつつ、スタッフ一同心より感謝申し上げます。