2014/9/17(水)
みなさんこんにちは。きのこ担当の保坂です。毎年のきのこ展でも紹介していますが、現在筑波実験植物園では、毎週1回のきのこ調査を欠かさず行っています。本格的に調査を始めて、今年で4年目になりますが、これまでに植物園で採集された標本は4500点以上!その全ての新鮮な状態の写真を撮影し、かつDNAデータも確保しています。その中には、きっと新種のきのこも含まれているはずです。
このように身近な環境である植物園ですが、さまざまな植生が良好な状態で保たれていることもあり、いろいろなきのこが、時には超大量に発生します。できることならば、きのこ展の期間中にそのような大発生を目撃することができれば、と毎年思うのですが、こればかりは天候や運に左右されますので、保証などとてもできません。
ですが...きのこ展が待てない、いますぐきのこを見たい、という方がいたら、植物園で大量のきのこを見るのは今です!何しろ、大型のきのこがそこらじゅうに大発生しています。ざっと紹介すると...
「高地性低木林」の区画ではイボテングタケが大発生!!巨大でイボイボのカサをもつきのこが、きれいな菌輪を作っています。同じようなテングタケの仲間は、植物園周辺のシラカシの並木にも大量に発生しています。ずっしりとしたきのこで、美味しそうと感じる人もいるかもしれませんが、れっきとした毒きのこです。
そして、「冷温帯落葉広葉樹林」の区画では、ブナやミズナラの下に派手な色のタマゴタケが大量発生!赤いカサとオレンジ色~黄色の柄、という見るからに毒々しいきのこですが、実は美味しい食用きのこです。
いまはちょうど見ごろで、大きく育った巨大なタマゴタケだけでなく、「卵」を突き破って出て来たばかりの未熟なタマゴタケも見ることができます。
それ以外にも、巨大なイグチやベニタケの仲間が、植物園の中に所狭しと発生しています。植物園は生き物の採集は厳禁ですが、じっくり観察して、写真撮影などしてみてはいかがでしょうか?運が良ければ、雨が降ってから数時間しか持たないスッポンタケの仲間、サンコタケなども見ることができるでしょう。
それではきのこ展期間中は?となると、これはその時が来るまでわかりません。おそらくそれまでにはぐっと秋が深まり、今とは異なる秋のきのこが大発生しているはず...というのが僕の期待ですが、ほとんどきのこが生えていない、という状況も十分に考えられるのです。でも大丈夫。タマゴタケやイボテングタケなどは、ここ毎年きのこ展の最中も発生しています。今ほどのきのこ大発生がもう一度きのこ展期間に来るかどうか。みなさんも期待を込めて見守っていてください。
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