きのこ展ブログ

2014/8/27(水)

中国雲南省のきのこ調査

みなさんこんにちは。きのこ担当の保坂です。今日は中国の雲南省で行ったきのこ調査の様子について紹介します。ちなみにこのブログ原稿は、調査も終わり日本に戻る前の上海空港で書いています。

雲南省は日本人にとってあまり馴染みのない場所かもしれません。中国の南西部にあたりちょうどチベットの東どなり。南側はミャンマーやラオスと接しています。その位置から蒸し暑い場所と思うかもしれませんが、雲南省の大半は標高1500メートル以上の場所にあり、夏でも高原のように涼しげな場所です。ただし低地にいくとまさに亜熱帯の森が広がります。

おそらく日本人のだれもが知っている雲南省にちなんだもの、となると「プーアル茶」ではないでしょうか。雲南省のプーアル市周辺で作られるお茶で、独特な香り(馬小屋のような、と表現する人もあり)を持つお茶です。雲南省では、その多様な地形や気候を活かしてお茶の生産が盛んにおこなわれています。プーアル茶以外にも緑茶、紅茶、それからコーヒーまでもかなりの量が生産され、国内外で消費されています。

それ以外に日本人になじみ深いもの、となると間違いなく「マツタケ」でしょう。中国で松茸?と思うかもしれませんが、マツタケに限らず雲南省は野生きのこの宝庫!特に雲南省の各地にある野生きのこマーケットでは、驚くほどの種類と量のきのこが売られています。

きのこ市場

プロのきのこハンターが持ってきた超大量のきのこを仕分けする様子はまさに壮観!文字通り山のように積まれたイグチの仲間をかき分ける姿や、

食用きのこ処理1

数メートルの高さに積み上げられたきのこ満載の袋に囲まれた姿などは、世界のどこに行ってもなかなか見ることのできる光景ではありません。

食用きのこ処理2

そうしてマーケットに並んだ多種多様なきのこの中には当然松茸も!大半は採集されてすぐに日本に郵送されるようですが、このように地元のマーケットで消費されるものもあります。

マツタケ

日本ではお目にかかれないきのこもたくさん。まるでゴボウのようなオオシロアリタケの仲間や、

オオシロアリタケ

図鑑では毒キノコとして紹介されることがほとんどのニセショウロの仲間など、眺めているだけで数時間はまったく飽きません。

ニセショウロ

それだけでなく、マーケットのきのこから新種が見つかった例もたくさんあるのです。もちろんわれわれもマーケットのきのこを眺めて楽しむだけでなく、研究用のきのこを入手し(購入し)、さらにその夜はいくつかのきのこを食べて楽しんだのでした。

ホウキタケの料理

【ホウキタケの料理】

今回は日程の都合で2週間足らずの調査でした。本来であれば少なくとも3週間はないと満足な調査ができないような広大な地域なのですが、総距離2000キロ以上を走破し、亜熱帯地域から亜高山帯まで、様々な環境のきのこを採集することができました。

きのこ展まであと2か月足らずですが、それまでも沖縄、東北地方などきのこ調査は続きます。本ブログではその様子もレポートしたいと思います。

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