きのこ展ブログ

2014/9/24(水)

きのこワークショップ開催

みなさんこんにちは。きのこ担当の保坂です。今回は9月中旬につくばで行われた、きのことDNAに関するワークショップの報告です。

このワークショップは、きのこの分類や進化についてDNAを使って研究したいが、その施設やノウハウが無い主に東アジア・東南アジアのきのこ研究者を対象に開催しました。琉球大学と国立科学博物館の共催です。昨年も開催したのですが、その際来ることができなかった、インドネシアおよび中国の数名を呼んで、短期間に様々なプログラムを体験しました。

中国からは2人。同じ中国とは言っても、一人は南西部にある雲南省から。ここはミャンマーなどと国境を接していることからもわかる通り、亜熱帯の森林が広がる地域です。ただし、雲南省の大半は高い山脈地帯です。なにしろヒマラヤ山脈の東の端にあるのが雲南省。だから標高が高い地域も多く、今回の参加者の仕事場である昆明市も、真夏でも涼しい気候です。

中国からのもう一人は、北朝鮮にも近い吉林省からの参加です。雲南省とは全く異なり、森林は北海道を思わせる冷温帯の落葉広葉樹林が中心です。当然生えているきのこも雲南省よりも北海道と共通しているものが多いようです。そして最後のインドネシアですが、今回はボゴールからの参加です。熱帯雨林が広がるインドネシアでは、まだまだ調べられていないきのこだらけのはず。今回のワークショップを通じて、将来的に長期の共同研究が始まることを期待しています。

ワークショップの参加者たち

ワークショップでは、その後のDNA研究を念頭に置いて、どのようにきのこを採集するか、採集した後にどのように標本を処理するか、どのような試薬を使い、どのようにサンプルを保管するか、などを中心に実習しました。参加者全員きのこの研究者なので、きのこの扱いは手慣れたもの。でも、DNA用のサンプル作成、という彼らにとってはある意味特殊な作業も含まれているので、四苦八苦しながらすべての工程を終了しました。

ワークショップの合間には、外国人のお土産としてなぜか大人気の100円ショップへ行ったり、日本の食べ物を楽しんだり、と学術的なプログラム以外にも、それぞれ楽しみながら過ごせたのではないかと思います。このようなつながりが、今後数十年にわたって共同研究として発展するはずです。そして、ワークショップの最後には修了証書の授与式と集合写真の撮影(写真)。翌日早朝(4時起き!)にはみんな慌ただしく成田空港に向かったのでした。

今度は僕が外国に調査に行く番です。ワークショップの参加者にもきっとお世話になることでしょう。

そして「きのこ展」までいよいよ1か月を切りました!きのコン作品も9月30日まで募集しています!