2015/10/13(火)
花の色の変化は何を意味するか
植物研究部の岩科です。
私は花に含まれる色素成分とその発現の機構を研究しています。
ところで同じ花が咲き始めから閉じるまでに色を変化させる植物があります。例えばスイフヨウとかウツギの仲間などです。たいていの場合で、白あるいは黄色から赤色に変化させるものが多いのですが、人間から見れば赤い色のほうが一般に目立つので、昆虫は赤に誘引されるような気がします。
ところがたいてい花の色が赤くなる頃には蜜もほとんどなく、花粉も機能していないことの方が圧倒的です。昆虫、特にミツバチなどは赤い色を見る事ができないのですが、このような花でも昆虫が見る事のできる“紫外線”の色は持っているので昆虫は認識しているはずなのですが、ほとんど訪れません。不思議です。