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2015/9/11(金)

サメに寄生するサナダムシ

動物研究部の藤田です。

科博で研究を進めている大学院生の倉島が中心になって、動物研究部の倉持とともに、チームを組んで寄生虫をとりあげて「生物のきずな」の研究を進めています。

自由生活をする動物を研究するためには、その動物自体の採集調査を行いますが、寄生虫研究の場合は、その寄生虫を探すために、宿主をターゲットとして採集調査を行います。私たちがターゲットとしているのは、サメやエイの仲間。それらに寄生する条虫類の系統分類を明らかにして、多様な種がどのように進化したのかを研究しています。

条虫類と言われてもよくわからないかもしれませんが、サナダムシと言われればピンと来る方も多いと思います。サメでも、消化管に寄生しています。これらの条虫類は、幼生の時は他の魚や無脊椎動物に寄生しており、それらをサメが食べることにより宿主を移動して成長していきます。様々な宿主との関係、そしてその宿主間の食う食われるの関係、このような生物間の「きずな」によって、条虫類は生きていくことができるのです。