2017/9/26(火)
銚子で大規模きのこ採り
みなさんこんにちは。きのこ展担当の保坂です。
きのこ展直前の9/22~9/24にかけて、千葉県銚子市で日本菌学会菌類観察会が開催されました。この観察会は伝統的に「フォーレ」と呼ばれています。
フォーレはもともと英語で、forayと書きます。辞書でその意味を調べると、なんと「襲撃(する)」「略奪(する)」など、物騒な意味が並んでいます。もちろん菌類観察会は主にきのこを採集するので、その様子が自然界から略奪するような意味合いが転じて、フォーレという言葉を使うようになったのでしょう。
面白いのは、この「フォーレ」という言葉を採集会・観察会の意味で使うのは、どうやらきのこの人たちだけのようだ、ということです。植物や昆虫の観察会はもちろん、探し方も採集法も良く似た変形菌のみなさんも、フォーレという言葉には馴染みがないということ。きのこの観察会が最も略奪的なのでしょうか...
というようなことを、フォーレ初日の講演会で述べさせてもらい、実際の野外での採集に行きました。総勢80名以上で海岸線から森にかけて一斉に探します。天候不順でもあったので、今現在の関東地方平野部できのこを採るのはほぼ不可能なのでは...とも思っていました。しかし、さすがにきのこ好きが集まっている会だけあって、会場のテーブル上には非常に多くのきのこが並びました。
そして、きのこを一通り並べ終えた後は、いろいろな専門家によるきのこ講義に人ごみができます。
そして、採集会後の夕食の席では、司会者の「フォーレ始め!」の号令で、参加者が一斉に食べ物に群がります。野外でのきのこ採集がおとなしく見えるほど、夕食はまさに「襲撃」の会となりました。
今回のフォーレで採集されたきのこは、約170点が国立科学博物館で処理され、写真・DNAなどのデータを伴う標本として、将来の研究にも役立てられます。また、標本とならなかったきのこについては、冷蔵保存したうえで、今年の「きのこ展」で展示されます!