きのこ展2017 ―あの『物語』のきのこたち― ブログ

2017/8/10(木)

きのコンと海外調査

皆さんこんにちは。きのこ展担当の保坂です。

筑波実験植物園で初めて「きのこ展」が開催されたのは2010年。きのこ展期間中に行われる「きのコン」(きのこ画コンテスト)はその翌年の2011年に始まり、それから毎年欠かさず開催されています。

というわけで、今年7回目となる「きのコン」ですが、初めての試みとして、前年のきのコン応募作品からポスター・ちらしのデザイン案を選ぶことになりました。今年のきのこ展のトップページや、これから各地に掲示されるポスター・ちらしには、昨年の応募作品から選ばれた絵が使われています。ぜひそんなことにも注目してみてください。

「きのコン」の応募用紙にも書かれている通り、このコンテストは絵の上手さを競うコンテストではありません。「きのこ愛」に満ちた作品を大募集しています。筑波実験植物園長賞、きのこ博士賞、ユーモア賞など、様々なカテゴリーへの入選を狙っても良いし、来年のポスターのデザインを考えながら描いても良いでしょう。もちろん、楽しみながら描いた作品が、会場に展示されている様子を見に来るのも大歓迎です。みなさんの想像力あふれる作品をお待ちしております。

今回のブログでは、今年5月に行ったミャンマー調査の様子を少し報告します。

国立科学博物館では総合研究「ミャンマーを中心とした東南アジア生物相のインベントリー-日本列島の南方系生物のルーツを探る-」が進行中です。博物館内外の研究者が合同で様々な生物の調査を進めています。今回の調査では、合計9名のメンバーで調査しました。みんな大量の調査道具を持っていくので、出発前の空港では調査道具に埋もれながら搭乗手続きをしました。

調査道具

飛行機を乗り継いで、途中は小さな船にも乗りました。

船

ようやくたどり着いたのは、ミャンマーのほぼ南端にある離れ島、ランピ島です。綺麗な砂浜と海が広がっていて、まさに南の島、という雰囲気。

ランピ島海岸

ここで約1週間にわたり、きのこ、植物、クモ、貝、藻類など、様々な生き物の調査を行ったのです。

さすがに海岸部にはきのこは生えなさそうに思えますが、そんなことはありません。スエヒロタケや、

スエヒロタケ

直径5ミリにも満たないタマハジキタケなど、

タマハジキタケ

結構たくさんのきのこを見つけることができました。そして湿った(とは言っても雨季ではなかったので乾燥気味でしたが)森に入ると、キヌガサタケの仲間が!

キヌガサタケの仲間

こんなきのこ達に出会えた、充実した調査でした。

ところが、今回の調査ではこれまでになくアクシデントがいくつもありました。自分にとって最大のアクシデントは体調を崩したこと。いままでたくさんの国で調査をしてきましたが、こんなに体調が悪くなったのは初めてです。吐き気とだるさに苦しみながら(そして2日は寝込んでいましたが)、なんとか無事に調査を終えました。

でも、体調が戻ってからは快調そのもの。いまでもなんで体調が悪くなったのかはわかりません。いつもながら、現地の美味しい食事を食べ過ぎたのが原因かもしれません。

きのこ展の開催前にもいくつか調査が控えています。また体調を崩してきのこ展でお休み、なんてことにならないように気をつけます!