2014/5/9(金)
カンアオイのふしぎ植物研究部の奥山です。
今回の企画展の目玉のひとつは「日本で多様化した植物」の展示ですが、中でもカンアオイの仲間は飛び抜けて日本の固有種が多いことで知られています。 今回、何と40種ものカンアオイの株を展示する予定です!
それにしてもこの怪しい色とかたち、そして真ん中にぽっかり空いた暗い穴。一体どうなっているのか、好奇心がくすぐられませんか?
そこで特別に、花の中の様子をご紹介します。 上の写真右下のグスクカンアオイの花の外側(がく)を切ってみました。
がくの中は部屋のようになっており、その中央には冠のような構造があるのがわかります。これは、ずい柱と呼ばれる、雄しべと雌しべがくっついてできた構造で、ちゃんと雄しべと雌しべがあるのが分かります。
雌しべの先にあるのは謎の構造、「花柱付属突起」でその働きは謎に包まれています。それにしても、なんでまたこんな姿になってしまったのでしょうか?
カンアオイの花の秘密は、どうやらカンアオイの花の受粉を助ける昆虫との関係にありそうです。
ちなみにいちばんよく調べられているタマノカンアオイでは、花はキノコに擬態しており、キノコに産卵するキノコバエの仲間が間違えて(花にだまされて)花の中に入ってくると言われています。
日本の固有植物展では、さまざまな花の姿に隠されている、昆虫との関わりの物語を思い浮かべながら、ぜひじっくりとカンアオイをご覧になって下さい。