本授業では、砂糖の原料となるさとうきびを育てることからはじめ、自ら育てた植物を加工し、砂糖にして食べるまでの一連の食育学習を行いました。授業を通じて、さとうきびの特徴、育て方、砂糖を作るまでの工程、そして、それらにかかる手間を体験しながら学び、食物、および植物の大切さを学ぶことを目的に実施しました。
2012年度には、土浦特別支援学校の高等部向けに、総合的な学習の時間を使って、春夏秋冬の4回実施しました。春はさとうきびの植付けと観察を、夏は観察と除草作業を、秋は観察に加えて、さとうきびの部位の違いによる食べ比べ学習を、冬は収穫と砂糖作りを実施し、砂糖の食べ比べや糖度測定などを実施しました。さとうきびは、植物園および学校でも栽培し、観察を行いました。
生徒にわかりやすく解説するため、さとうきびについてのクイズ形式の紙芝居を準備し、問題をときながら学習できるように配慮しました。そのほか、解説パネル、観察記録用紙などをあらかじめ準備しました。授業は、時間の許す限り、温室探検やクラフト体験などもあわせて実施し、他の植物についても学習しながら、植物園を楽しめるように配慮しました。
>授業後の教員向けアンケートは、Q1、Q2 の結果が示すように、授業の効果、満足度は非常に高い結果となりました。Q3が示す理解度は、秋や冬の授業ほど高い結果でした。これはさとうきびを実際に食べ比べたりする体験があったことが背景にあったと考えられます。また、視覚的資料を使ってクイズ形式で学習できたので楽しくできたと思うというアンケート結果の声もあり、理解度は高かったのではと思われます。
1年を通じてのアンケート結果をみると、栽培、収穫、加工まで実践したことで、さとうきびから砂糖ができるまで、楽しみながら貴重な体験を経て学習できたことがわかりました。またさとうきびからの砂糖作りは、人力ではかなりの時間と労力を要する作業で、できあがった砂糖は極めて少量でしたが、それを大切に味わう生徒たちの様子が見られ、植物および食物への意識変化があったことが感じられました。