きのこ展2024~きのこの本当のすがた~国立科学博物館 筑波実験植物園

2024年10月12日(土)~10月20日(日) ※期間中休園なし

2024/9/13(金)

『今年のきのこ展は菌糸と胞子!』

みなさんこんにちは。きのこ担当の保坂です。

今年も秋が近づいてきました。ということは…きのこ展の時期です!今年もたくさんの野生きのこ・栽培きのこを用意して、みなさんをお待ちしております。

それ以外にも、きのこ展では毎年サブテーマを決めて展示を用意しています。今年のテーマは「きのこの正体、菌糸と胞子」。あまり目にする機会はないかもしれませんが、実はきのこの正体とも言える菌糸、そして胞子について深く迫っていきたいと思います。

突然ですが、この写真は何でしょう?

ナラタケの根状菌糸束

枯れた枝や根っこのようにも見えますが、実はこれはナラタケの根状菌糸束。菌糸がたくさん束になって、まるで植物の根っこのように太くなったものです。土や倒木の中に無数に拡がっているきのこの菌糸ですが、その多くはこの根状菌糸束のように目で見ることはできません。それではどうやって探せばよいかと言うと……。

きのこが生えていたら、その根元を少し掘り下げてみてください。多くの場合、白っぽくてもやっとした感じの菌糸が広がっている様子を確認することができます。中には菌糸が大量に密集して、「菌糸マット」を作っている場合も。

オオホウライタケと根元に広がる菌糸マット オオホウライタケと根元に広がる菌糸マット

みなさんが通常見ている「きのこ」は、きのこが胞子を作るための特別な器官で「子実体(しじつたい)」。植物で言えば花や実にあたります。そしてその「実」をつくる本体こそが菌糸なのです。

そして今回のもうひとつの主役である「胞子」。たとえオニフスベのように巨大な子実体をつくるきのこであっても、胞子の大きさは5ミクロン程度(1ミリの200分の1)。そして子実体を形作っているのは、やはり菌糸なのです。

オニフスベの子実体 オニフスベの子実体

これよりもはるかに大きく、直径50センチを超えることもある。

今回のきのこ展では、このような菌糸と胞子について、見た目の多様性、自然界での働きの多様性、最新の研究成果などをまじえて紹介します。その他、期間中のイベントももりだくさん。ぜひ秋の一日をきのこ展でお楽しみください。

オニフスベの胞子と菌糸 オニフスベの胞子と菌糸

丸くてトゲトゲしているのが胞子。直径4ミクロンほど。

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