2019/09/12(木)
『ミャンマーでのきのこ調査』
みなさんこんにちは。きのこ展担当の保坂です。
一昨年、昨年に引き続き、今年もミャンマーできのこ調査をしてきました。本日はその一端をご紹介します。
今回調査をしたのは8月。現地ではちょうど雨季が始まったころです。僕はきのこを調査に行くので、もちろん雨が降ってくれたほうが良いのです。酷暑の日本を出発して、猛暑のミャンマーを覚悟していたら、着いた時のヤンゴン空港の気温は25度。本当に涼しく感じました。まさかミャンマーに避暑に行くとは思っていませんでした。
そしてやはり雨季だけあって、イラワジ川も少し増水していました。
今回は植物および昆虫の研究者といっしょに行動しましたが、みんな雨でドロドロになった道で調査を続けました。
ある時は山間の電気も通っていない宿舎に泊まり、
村人にガイドしてもらい、現地の迫力ある滝を見たり、
と、ここまではいたって順調。しかし、滝を見た翌日に悲劇が!
なんと朝起きたら全身筋肉痛で、全く起き上がれません。確かに滝までの工程は少しハードな歩きでしたが、それでもここまで筋肉痛になるのはどうもおかしい。そうこうしているうちに、なんだか全身が熱っぽくなってきているのを感じました。
それからは丸2日ずっと横になり、その後は嘘のように熱が下がり、体調も戻りました。症状をいろいろ検討してみましたが、やはりあれは蚊の媒介するウイルス性の熱だったのではないかな、と思います。
なんとか体調が回復した後は、きのこを探して森を歩きます。キノボリトカゲの仲間を見ながら、
たくさん採れたのは、日本にも分布するカレバキツネタケ。
日本のチチタケにそっくりなきのこ(おそらく同種か近縁種)も生えていました。
そして、ミャンマーを発つ前日。研究所の宿舎前で見つけたのがコツブタケの仲間。
後ろに見えるのはシロアリの塚です。面白い発見かもしれませんが、このきのこは間違いなく近くに植えられているユーカリの木の共生菌。つまりユーカリといっしょにオーストラリアから持ち込まれたきのこです。
このように、きのこも人為的な移入種となってしまう場合があるので、なかなか生の海外産きのこを展示することはできません。でもいつか「きのこ展」で海外のきのこを多数紹介できたらいいな、と考えています。