筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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12月26日(火) 屋外栽培員1名と圃場栽培員1名を募集しています。
屋外班の二階堂です。

私の所属する屋外班では屋外栽培員1名と圃場栽培員1名を募集しています。実際の仕事内容をご紹介します。
なお、正式な募集職名は労務補佐員(短時間勤務有期雇用職員)です。国立科学博物館が出している採用情報はこちら。
労務補佐員

募集1 屋外栽培員(週30時間勤務)
労力が特に掛かる仕事を説明します。

@刈り払い機による除草
除草は植栽植物の競争相手を排除する作業で、植栽地管理の要です。面積が広いので、炎天下でも少しの雨でも刈り払い機を使って実施します。ナイロンコードによる刈り払いがほとんどになります。

A園路掃除
背負いブロアーで落ち葉を吹き飛ばし、集め、回収します。台風後の掃除は時に数日かかる事もあります。

B修繕や工作
垂木やベニヤ板を切断して展示台や解説板、植栽地の増設などを日常的に作っています。今年の夏は、運搬車の改修や、最近では園内各所のホースリールを入れる木枠の作成などを行いました。

募集2 圃場栽培員(週30時間勤務)
@植物の生育状態の観察、灌水、鉢移動
朝一番の仕事は灌水です。その際に植物の調子を見て、栽培場所は適しているか、土は劣化していないか、肥料は不足していないか、病虫害にかかっていないか、を確認します。

A植替え、挿し木栽培、播種栽培(クレマチスなど)
圃場の植物栽培は基本的に鉢です。日々の植替えで維持します。また、播種や挿し木増殖を積極的に行い、コレクション維持を行っています。

募集1と募集2共通
@伐採木や剪定枝の回収・運搬と掃除
園内は樹木が多く、木材の廃材が大量に出ます。植栽エリアから圃場のストックヤードへ運搬車で運びます。

A廃材処理
集積した除草ゴミはバックホーで攪拌・発酵させ体積を減らし、枝ゴミはチッパーにかけます。冬にチップ類やたい肥を園内へ運んで再利用します。

B企画展の設営と撤収
年に大小7回程度企画展が行われます。その会場で使用する展示ボードやテーブルを運んだり、屋外テントを設営します。植物栽培作業と並行するので、企画展の間隔が短い時はかなり忙しくなります。

その他
@屋外栽培班と圃場栽培班の2つを合わせて屋外圃場班です。屋外栽培員が圃場業務を補佐したり、圃場栽培員が屋外作業を補助したりと、共同で仕事をしています。

A資格の有無は採用条件ではありませんが、バックホーとチェーンソーの有資格者が少ないので、資格を持った方が活躍されています。

B屋外も圃場も現在勤務されている栽培員の中には、前職は植物栽培以外の仕事をされていた方も多くおられます。「植物が好き!自然に触れたい!春夏秋冬の中で仕事をしたい!」、そんな気持ちが皆の共通点です。

最後に
7人の研究員の指示のもと、植物園を維持管理し、また、研究や保全のために持ち込まれる植物を栽培するアカデミックでやりがいのある職場です。フラワーパークのような派手さはありませんが、7000種もの植物に囲まれて、私にとってはアミューズメントパークの様な日々ワクワクがある環境です。
過去のブログにて実際の作業や各作業員が使っている道具類の紹介を書いています。
運搬車もおめかし
腰道具シリーズI

YOUTUBE科博チャンネルでも仕事の紹介をしています。
【国立科学博物館公式】かはくチャンネル
ぜひこちらも参考にしてください。










 

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12月19日(火) 春を待つ生命
こんにちは。研究員の奥山です。

12月にしてはかなり暖かい日が続いていますが、それでも園内はすっかり冬景色、生き物の気配はあまり感じられません。しかしこの季節だからこそ観察しやすい昆虫もいます。

オオムラサキやゴマダラチョウの幼虫は、食樹であるエノキが青々と茂る季節は高い梢にいて、たやすくは観察できません。ところが今の時期は越冬のため地面に降りてきているため、ちょっとしたコツを知っていれば観察は容易なのです。

全国的に数を減らしているこれらの昆虫のことが心配なので、毎年この季節になると彼らが健在かどうかを確認することにしています。

いつものポイントをしばし探すと、、、冬越しする幼虫がちゃんといました!(写真左上がオオムラサキ幼虫、右下がゴマダラチョウ幼虫)

エノキ自体はどこにでもあるありふれた樹なのですが、このように、オオムラサキやゴマダラチョウには冬場に落ち葉が積もる環境が必要不可欠で、立派な樹があったとしても、きれいに落ち葉掃除されてしまうだけで、その場所では生きていけなくなってしまいます。

筑波実験植物園では、園路以外の場所の落ち葉はそのまま残してあるので、これらの生き物たちのすみかもまた、保たれているのです。

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12月1日(金) メタセコイアの冬支度 〜まもなく落葉します!
こんにちは、登録室のTです。
今日から師走。徐々に日が短くなり、気温も下がってゆく季節です。

筑波実験植物園では紅葉(黄葉)の見ごろがピークとなりました。
特にプロムナードのメタセコイアは、冬支度の真っただ中、今まさに燃えるような朱色です。

プロムナードは、常緑樹のセコイアと落葉樹のメタセコイアが交互に植栽されているので、春と秋で劇的に景色が異なります。冬になってしまうとメタセコイアは落葉するため、また景色が変わります。どの季節でも楽しめますが、美しいコントラストを楽しんでいただくのなら、今がベストシーズンではないかと思います。

朝日や夕日が当たる時間帯は特に輝きを増して美しく映えます!!

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