筑波実験植物園

閉じる

こんにちは植物園です

<<前年 | 翌年>>

<< 2024年12月 >>

12月26日(木) 笑う門には福来る! 〜屋外班ジョシーズの門松奮闘記
こんにちは、登録室のTです。早いもので今年も残り1週間となりました。皆さん、もう大掃除は終わりましたか。植物園では新年を迎える準備として、一週間前から、4年ぶりに門松作りが始まっています。なんでも手軽に買える時代に、門松を一から作ろうなんて、スゴイ!ことだと思いませんか。しかも、その仕事を買ってでたのは、屋外班の3人の女性スタッフ、名付けて「ジョシーズ」です。早速、門松作りの現場を取材してきました。  

門松造りの大まかな手順は、(T)門松を立てる鉢作り (U)竹の加工、組み立て (V)飾り付け・仕上げ。造園学校で正式な門松作りを学んできたジョシーズ。それぞれの工程の中に、さらに細かな手順や決め事があり、美しく仕上げるためには力技も必要です。6mもある堅い竹を適度な長さに切るのも、藁縄をきつく締めるのも、か細い女手ではひと苦労。どうすれば美しい門松になるか、3人でアイディアを出し合いながら、手を休めることなく、黙々と作業を続けるその姿はまさしく職人でした。

竹はまるで笑っているように見える切り口に仕上げるそうです。まさに「笑う門には福来る!」です。まもなく完成の門松は、新年の年神様とご来園者の皆様をお迎えすべく、12月27日には教育棟入り口に飾ります。完成版は1月1日付の当ブログにて、園長の年頭ご挨拶とともにご紹介いたします。乞うご期待!

筑波実験植物園の開園は、年内は12月27日(金)まで、年明けは1月5日(日)からとなります。普段の開園曜日と異なりますのでご注意ください。

それでは皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。

ページトップへ

12月24日(火) シモバシラに「霜柱」が出ています!
屋外班の高津です。山地草原低地性(W10)にあるシモバシラ(シソ科)は、
「冬、地上部が枯れても根が水を吸い上げます。茎から沁み出した水が外気に触れて凍り、霜柱ができます。寒さが厳しくなると、根は水を吸い上げられなくなり、霜柱は姿を消します」(以上、解説板からの引用)。

霜柱は日が昇り気温が高くなると溶けてしまうため、10時くらいまでしか見られません。また寒さがころあいの今の時期しか見られません。お急ぎください。

ページトップへ

12月20日(金) 屋外栽培員2名を募集しています。
屋外班の二階堂です。

筑波実験植物園では、植物園の屋外エリアで働いて下さる職員2名を募集しています。正式な募集職名は労務補佐員(短時間勤務有期雇用職員)です。国立科学博物館が出している採用情報はこちら。
労務補佐員

主な仕事の内容を説明します。

@刈り払い機による除草
除草は植栽植物の競争相手を除去する作業で、植栽地管理の要です。面積が広いので、炎天下でも少しの雨でも刈り払い機を使って実施します。ナイロンコードによる刈り払いがほとんどになります。

A園路掃除
背負いブロアーで落ち葉を吹き飛ばし、集め、回収します。台風後の掃除は数日かかる事もあります。

B修繕や工作
垂木やベニヤ板を切断して展示台や解説板などの工作、また、植栽地の増設など造園土木のような作業を日常的に行っています。

C伐採木や剪定枝の回収・運搬と掃除
園内は樹木が多く、木材の廃材が大量に出ます。植栽エリアから圃場のストックヤードへ運搬車で運びます。

D廃材処理
集積した除草ゴミはバックホーで攪拌・発酵させ体積を減らし、枝ゴミはチッパーにかけます。冬にチップ類やたい肥を園内へ運んで再利用します。

E企画展の設営と撤収
年に大小7回程度企画展が行われます。その会場で使用する展示ボードやテーブルを運んだり、屋外テントを設営したりします。

その他
私たちのチーム名は屋外班ですが、実は圃場の栽培管理を行う圃場班と一緒になっています。屋外栽培員が圃場業務を補佐したり、圃場栽培員が屋外作業を補助したりと、共同で仕事をしています。

最後に
7人の研究員の指示のもと、植物園を維持管理し、また、研究や保全のために持ち込まれる植物を栽培するアカデミックでやりがいのある職場です。フラワーパークのような派手さはありませんが、7000種もの植物に囲まれて、私にとってはアミューズメントパークの様な日々ワクワクがある環境です。

過去のブログにて実際の作業や各作業員が使っている道具類の紹介を書いています。
運搬車もおめかし
腰道具シリーズI

YOUTUBE科博チャンネルでも仕事の紹介をしています。
【国立科学博物館公式】かはくチャンネル

ぜひこちらも参考にしてください。

ページトップへ

12月10日(火) ショクダイオオコンニャクの生長過程5姿 〜今なら同時に見られます!
こんにちは、登録室のTです。熱帯雨林温室で、今最も気になっている植物といえば、2023年5月に開花し、その後果実をつけたショクダイオオコンニャク。今年9月13日に植え替えをし、10月29日に葉芽が出てきてからおよそ2か月が経過、日々生長を続けています。過去6回も花を咲かせ、6回目にして果実をつけたのち休眠していた株、その生存意欲と生長スピードには目を見張るものがあります。

けれど、ふと周りを見回してみると、それ以上に驚きの光景があったのです。今、熱帯雨林温室の1階では、ショクダイオオコンニャクの生長過程が、つぶさに見られます。@地中に眠った株 A実生から生長している若い株 Bその実生の親株 C大きく生長し葉を広げた別株 D葉が枯れかけた別株

花こそ咲いていませんが、ショクダイオオコンニャクのこんなに様々な生長過程が一挙にみられる景色、筑波実験植物園ならではではないでしょうか。毎日当たり前のように見ていた景色が、実はとんでもない凄い光景だということに改めて気づきました。

【堤研究員からの補足情報】@の株はそろそろ目覚める頃で、Dの株は年内には完全に落葉してしまう可能性があります。一挙に見られるのは今このタイミングだけです。

※ショクダイオオコンニャクの栽培経過の詳細は、「コンニャク日記」にてご覧いただけます。

ページトップへ

12月5日(木) ウワミズザクラの冬支度 〜落葉だけじゃない
こんにちは、登録室のTです。初冬にしては随分と暖かい日が続いていますが、筑波実験植物園の木々は、紅(黄)葉が深まり、次第に落葉へと景色が変わってきました。

ほんのりと桜色の紅葉が美しいウワミズザクラも、今日見に行ったらもうほとんど落葉していました(写真はW5エリア)。けれど、ウワミズザクラの冬支度は落葉だけではありません。ウワミズザクラは、葉を落とした後、今年作った枝さえも落としてしまいます。そのため今年の枝には冬芽もついていません。できるだけ木に栄養をチャージし、翌年の生長に備えるためです。ウワミズザクラの木の下には、落ち葉とともに赤くて細い小枝がたくさん落ちています。興味のある方は観察してみてください。

今週末からは季節が進み、寒気が入ってくる予報です。ご来園の際は、防寒対策をしてお越しください。


ページトップへ

copyrights