研究活動

筑波実験植物園の研究--多様性を知る

現在の地球上には花の咲く植物、すなわち被子植物だけでも30万種を越えるといわれている植物が生育しています。人生たかだか100年に満たない人類にとって、植物は変化していないように見えますが、植物は40億年前に地球上に誕生して以来、長い年月をかけて生まれ、今でも多様化し続けています。この植物の多様性は,水や光,土壌などが異なる各種環境によって、そして植物同士ばかりでなく、菌類や動物など、他の生物との共生、寄生、捕食などの関わり合いによって生まれたものです。この植物の多様性を研究するためには、生きた植物そのものを材料とすることが最も重要です。

筑波実験植物園では、主にシダ植物と顕花植物の、約7千種の生きた植物を植栽管理しながら、絶滅危惧植物を中心とした植物の収集・保全を行っており、それらを材料として、基本的に生きた植物を研究しなければわからないような、適応形態、遺伝子、染色体、二次代謝産物などを解析し、植物の多様化や他の生物との関わり合いを研究しています。また、一般公開も行っており、約3千種の植物を園内で観察することができます。