筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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9月29日(日) ナンバンギセル(ハマウツボ科)が開花しています。
 屋外班の高津です。
 今年もナンバンギセルが出現、開花しました。この植物は、ススキなどの根に寄生して養分を奪うので、自分では光合成をしないズルい植物です。たばこのパイプに似た姿から、「南蛮キセル」の名前がついていますが、古くは「思ひ草」の名前で知られており、万葉集に「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらになど 物か思はむ」と詠われています(尾花はススキの別名。以上、解説板から引用)。
 当園では、前任者の手入れの甲斐もあって山地草原低地性(W10)の特定のススキの大株にここ数年出現しています。今年も株元に数個体がひっそりと出現しました。今年から引き継いだ者として今後もススキの株の維持に励み、ご来園の皆様に毎年ご覧いただけるようにしたいと思います。

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9月24日(火) きのこ画コンテスト審査会開催 〜各賞決定!!〜
こんにちは、登録室のTです。週が明けたとたんに気温が下がり、《爽やか》という言葉がふさわしい季節になりました。

本日(9/24)、「きのこ画コンテスト」の審査会が開催されました。今回も多数の応募作品をいただきました中から、厳正なる審査を行い、【園長賞】、【菌賞】、【きのこ博士賞】、【生物多様性賞】、【写実賞】、【キッズ賞】、【ユーモア賞】の7作品を選出しました。このほかに【殿堂入り】作品が2点あります。(*「殿堂入り」とはこれまで複数回園長賞や金賞などを受賞した方から選定しています。)

常連さんも新人さんも、最年少2歳から最高齢64歳まで、作風もアイディアも十人十色、みなさんに賞を差し上げたい気持ちになりました。本当に多数のご応募ありがとうございました。

入賞作品を含めほぼすべての作品を、「きのこ展」会場にて展示させていただきます。どうぞお楽しみ・・・。

●きのこ展専用ホームページはこちら

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9月20日(金) 趣味の園芸「植物園!これ、かっこイイぜ!」に取り上げられました!
こんにちは!植物園広報担当です。
この度、筑波実験植物園がNHK・Eテレで放送中の「趣味の園芸」
『植物園!これ、かっこイイぜ!』に取り上げられました。

取材のため、熱帯植物栽培家の杉山拓巳さん(講師)と俳優の滝藤賢一さん(ゲスト)が、当園にいらっしゃいました‼
当園からは、細矢剛園長、遊川知久研究員、温室スタッフが出演!
研究員が植物園で行われている研究や展示について紹介しており、温室スタッフも栽培管理について熱く語っています。

放送:9月29日(日) 午前8:30〜8:55
再放送:10月4日(金) 
※放送内容・日時は変更になる場合もございます
趣味の園芸
ぜひ、ご覧ください。

★筑波実験植物園掲載! NHKテキスト『趣味の園芸』9月号も販売中‼

『植物園!これ、かっこイイぜ!』
本来の姿で生き生きと育つ植物たちが暮らす場所❝植物園❞。そんな植物園を「今、最高におもしろい!」とイチオシする、自称❝植物マニア❞熱帯植物栽培家の杉山 拓巳さんが、俳優の滝藤賢一さんに植物園を案内するシリーズです。

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9月18日(水) 金の雨を降らす木 〜オオモクゲンジが満開!!
こんにちは、登録室のTです。9月19日は秋の彼岸の入り、「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、天気予報によると、土曜日からは秋雨前線の影響で、つくば市の気温もようやく30℃を下回り、最高気温が25℃くらいになるそうです。

今、植物園のH3(温帯資源西)エリアの一番北の端で、遠くから上の方が黄色くなっている背高のっぽの木があったので、黄葉かと近づいて見てみたら、オオモクゲンジが満開でした。

立ち入り禁止区域の奥ですが、熱帯雨林温室1Fの自動ドアを出たフェンス前からだとよく見えます。(添付の写真もそこから撮ったものです。)

オオモクゲンジはムクロジ科の落葉高木で、英名では【Golden rain tree】と呼ばれています。地面を見ると、黄色い小さな花がまさしく金色の雨降るごとく、散り始めていました。「花の命は短くて・・・」の言葉通り、週末の秋雨で散ってしまうかもしれません。ただ、この花は果実の様子も趣があります。受粉してくれそうな昆虫たちも飛んできていましたので、花のあとのお楽しみも尽きません。

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9月13日(金) きのこ展ホームページ公開! 〜今年のテーマは「きのこの正体、菌糸と胞子」
こんにちは、登録室のTです。
お待たせしました!10月12日(土)から開催のきのこ展専用のホームページを公開しました。今年の研究展示コーナーのテーマは「きのこの正体、菌糸と胞子」です。普段なかなか目に触れることはなくても、実はきのこの本体である菌糸、そしてきのこが分布を拡大するために飛ばす胞子について、最新の研究成果も含めて深く紹介します。

数年間、コロナ禍で中止を余儀なくされていた「きのこ博士による園内きのこガイドツアー」も、曜日限定で開催します。アート作品会場は、木版画、押しきのこ、水彩画、写真など様々なジャンルの作品を展示します。きのこグッズ販売コーナーも充実。マッシュルームつかみ取り(有料・日曜のみ)も開催。どうぞお楽しみに!

●専用ホームページはこちら


「きのこ画コンテスト」まもなく締め切り!
「きのこ画コンテスト」作品募集は、9月16日(当日消印有効)が締め切りです。作品の上手下手でなく、きのこ愛にあふれる作品を大募集です。応募用紙は、植物園にて配布中です。(用紙の郵送やHPからのダウンロード対応はしていません。)「菌賞」「筑波実験植物園長賞」「きのこ博士賞」「ユーモア賞」などの表彰も行います。ご応募いただいた作品は、入選の有無にかかわらず、原則として全て、きのこ展会場にて展示させていただきます。多数のご応募お待ちしています。

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9月12日(木) このニオイ、スキ?キライ? 〜コクサギはミカンの香り?
こんにちは、登録室のTです。9月も半ばというのに、つくばは連日30℃を超える残暑の日々です。それでも朝晩は幾分涼しくなり、虫の声もセミからスズムシへ、季節は確実に秋へと向かっていますね。

今日ご紹介したい植物は、「コクサギ」です。ミカン科、雌雄別株の落葉低木です。この木の一番の特徴は葉っぱです。単純な互生であるように見えますが、よく見てみると、伸びた枝では2枚ずつの互生になっています。「コクサギ型葉序」と呼ばれることもあるようです。緑の葉は油分を含んでおり、つやつやとした光沢があり、やわらかで葉脈もよく目立ちます。花期は4月頃、雄花は総状花序、雌花は単一花です。

今の時期は、未熟な青い果実ができています。この形、私にはぷっくり膨らんだハート型が2個セットでついているように見えます。秋が深まっていくと、葉はクリーム色や薄紅色に美しく色づきます。熟した果実は破裂し種を飛ばしますが、茶色くなった果実は長く枝に残ります。ツートンカラーの冬芽も、葉っぱと同じように2個ずつ互生します。早春の芽吹きも、新緑や黄葉に勝るとも劣らない美しさです。

そんなコクサギですが、和名の由来は、どうやら花や葉のニオイにあるようです。漢字表記は「小臭木」。ええ!!臭い木なの?ミカンのニオイじゃないの?・・・花はあまり目立たない色ですが、あたり一面に香りが漂うので咲いていればすぐわかります。葉っぱにも独特のニオイがあり、防虫効果もあるらしいです。ミカンの香りに似ていて私は好きですが、苦手という人もいます。

さて、このコクサギ、園内のどこにあるかご存じですか?W3(暖温帯落葉広葉樹林)の園路沿いに、複数本植栽されていますので、森のエリアを散策するときは、ぜひ注目してみてください。

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