筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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2月28日(火) 第39回植物画コンクール入選作品展 〜長い長い植物画展の話〜
こんにちは、登録室のTです。
第39回植物画コンクール入選作品展(*以下「植物画展」と省略)」が始まって1週間が経ちました。筑波実験植物園での展示期間は3月5日(日)まで、あと1週間となります。力作揃いの本展示を是非お見逃しの無いようにしてください!2週間という展示期間は、当園の他の企画展より少しだけ長めですが、その準備の時間を含めると、「ほんの一瞬の出来事」です。

植物画展はおよそ1年前、「募集要項」の作成から始まります。前回の要項からの変更点などの見直しや修正をします。並行して担当研究員が「実施概要」を作成し、館内決裁後、文化庁への文部科学大臣賞発行のための手続きなどが行われます。

6月頃からは「募集要項」を学校や教育委員会等の各関係先に送付し、併せて、上野本館や当園での配布も行います。9月、作品の受付開始が始まると大忙しです。締め切りは10月末、そして、11月に行われる審査会で入選作品が決定し、館内決裁ののちに、12月から1月に入選作品の発表に向けた各対応等業務を行います。(応募者や関係者への連絡、賞状作成、プレスリリース、植物画展のチラシ製作等の広報準備)また、同時進行で、当園での展示準備(作品の額装、額入れ、キャプション製作など)も着々と進行していきます。開幕1週間前、総出で会場設営(展示什器の搬入、作品展示)が行われ、ようやく開幕となりますが、その時点ですでに閉幕後の会場撤収計画も完了しています。

当園での展示準備と並行して、学校が春休みに入る前に届くよう受賞者・受賞校への賞状および記念品発送及び返却希望のあった選外作品の返却を行います。今後は上野本館や附属自然教育園での巡回展示も控えており、更に受賞作品の外部機関への貸し出しや3年前の入選作品の返却など、気の抜けない作業が続きます。植物画コンクールは、膨大な時間と多くの人の手を経て、成り立っている事業です(スゴイ!!)。

そして今はもう次回(第40回)の準備が始まっています!!
第40回からは小学生の部と中高生の部の2本立てになります。これは、当園の限られたリソースを児童・生徒に特化した植物画コンクールとすることで、これまで以上に内容の充実を図るための大きな方針転換です。「植物画展」は長い長いネバーエンディングストーリーのようです。40年間に渡って続くこのイベントは筑波実験植物園が誇るべき歴史と伝統のある企画展なのです。

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2月23日(木) 「早春の植物」展が始まりました‼
こんにちは。屋外班のスージーです。

暦は雨水*となりました。一見冬枯れのような植物園ですが、実は植物たちは、静かに動き始めています。
スプリング・エフェメラル 〜早春に花をつけ夏まで葉をつけたら後は地下で過ごす植物たち〜 も、待ってました!とばかりに芽を出し始めました。

担当している 春の小路の入口では、スノードロップやクリスマスローズ、スイセンたちがお出迎えです。
スイセンは2年前の展示では25品種ほどでしたが、今回はその倍の50品種を超えるラインナップになっています。
その中で最初に芽を出したのがニホンズイセン。昨年11月に芽吹き今月中旬に咲き始めました。最初に開花したのは、その名の通りアーリーセンセーション。1月2日に芽吹き、ひと月後の2月3日には黄色い花が開き春の訪れを教えてくれました。
カップ咲き、ラッパ咲き、房咲き、八重咲き。咲き方だけでも多くの種類があります。大輪のものやミニタイプのもの、香りのあるもの。
お好みの品種をぜひ探してみてください。ちなみに、私は「スージー」という品種が咲くのを心待ちにしています。

フクジュソウにも「白宝」「秩父紅」「紅撫子」等の品種があります。最初に芽を出したのは「福寿海(フクジュカイ)」。黄色いつぼみを一生懸命持ち上げて空に向かって咲こうとしている姿が健気です。
シクラメンやプリムラは寒さに負けじと可憐な花を咲かせ、クリスマスローズもたくさんの花芽をつけ一部は咲き始めています。カタクリは「もう少し待っててね‼」と地面から声が聞こえてくるようです。
生態区でも、セツブンソウなどの花が楽しめます。

散策しながら、すこ〜し地面に顔を近づけて見てみてください。
植物たちが、重い土を押しのけて「よいしょっ!」と、芽を出す瞬間に出会えるかもしれませんよ。
早春の植物

*二十四節季のひとつ。2023年は2月19日頃。雪や氷が解け雪に変わり雨が降る。

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2月21日(火) 早春の植物
こんにちは。登録室のKYです。

今月3日にセツブンソウのつぼみが出はじめましたと紹介をしました。
2023年2月3日(金)
その時はまだ5つくらいの小さなつぼみしか出ていませんでしたが、今日様子を見に行ったらかなりの数の花が咲いていました。
植物園勤務は3年目ですが、これほどの(個人的には群落と言いたいほど)セツブンソウを見たのは初めてで、小石をかき分けて咲くたくさんの可憐な姿に感激しました。
園内ではフクジュカイが明るい黄色の花を咲かせ、やさしい薄紫色のユキワリイチゲや、白・ピンク・紫と色とりどりのオオミスミソウなども咲きはじめました。

今週23日から2年ぶりに早春の植物が始まります。
まだ寒いこの時期に、けなげに咲く花を見に来ませんか。

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2月17日(金) 多目的温室を公開しました! 〜アンビリーバボーな舞台裏
こんにちは、登録室のTです。
目まぐるしく気温がアップダウンしている今日この頃、「三寒四温」とはまさにこの時期にこそふさわしい言葉のように思います。風はまだまだ冷たいですが、植物園の温室はコートが要らないくらいの《あったかスポット》です。

さて温室といえば、多目的温室では2月14日(火)より「琉球・小笠原の植物」をご覧いただけるようになっています。多目的温室は、企画展の際に展示会場として使用するため、ふだん展示している琉球・小笠原の植物は圃場に移動し、企画展終了後に戻します。しかし植物の移動は、植物にとってストレスになるため、温室スタッフと圃場スタッフがタッグを組んで、展示の前後にかなり綿密にスケジュールや管理方法など打ち合わせ、手入れなど植物のメンテナンスを行っています。

2月14日から公開するため、圃場スタッフは着々と、琉球・小笠原の植物たちを綺麗に仕立て表舞台用に調整してきました。そして、蘭展閉幕(1/29)から2週間で、通常の業務も行いつつこれだけ模様替えをするのは、想像以上に大変な作業なのですが、それをたったの数人で(特に植物展示はこばやん一人で)やってのけるのだから、まさに「アンビリーバボー!!」です。

昨年の夏休み植物園フェスタ以後、企画展が続いたため、企画展のない時期はライト(簡易)バージョンでの展示となっていましたが、今回はフル(本格)バージョンでの展示となっています。多目的温室で琉球・小笠原の植物展示を是非ご堪能ください。

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2月15日(水) 圃場でカンアオイが次々咲いています!
こんにちは。栽培班のここです。

園内では早春の植物が咲き始めていますが、圃場ではカンアオイの花が次々咲いています。
カンアオイ(狭義)は世界に75種あり、筑波実験植物園では68種のカンアオイを保有しています。(いずれも変種を含む)
今回はそのコレクションの中から、スタッフのお気に入りをコメントと共にご紹介させていただきます。
※個人的に、カンアオイの花は人によって好みが分かれると思いますので、黒い丸が苦手な方はご注意ください…!

@フジノカンアオイ
カンアオイを研究している奥山先生のお気に入り。
花の大きさや色のバリエーションが多い所がおもしろい!

Aハツシマカンアオイ
スージーさんのお気に入り。
スッとした佇まいと、ほっそりとした花がひっそり咲いている姿に癒されます。花色も淡いピンクがかっていて気に入っています。

Bオオカンアオイ
わっちーさんのお気に入り。
花が肉厚でグロかわいい!他のカンアオイはかわいいけれど、この子は断トツでグロかわいいです!(褒めてます)

Cコシノカンアオイ
サイタマさんのお気に入り。
つぼみの大きく丸いフォルムが可愛らしく、肉厚で硬めの萼(花弁のように見える所)が少しずつ開いていく様は、つい頑張れ…!と応援したくなるほど健気です。

普通カンアオイの萼は3裂ですが、このコシノカンアオイには4裂の花があります。
これについて奥山先生に伺った所、ちょっとした発生異常ではないか、との事。4つ葉のクローバーのようなもので、見つけたら少しラッキーな気分になれるかもしれないそうですよ!

今回紹介したカンアオイの他にも、数種類のカンアオイを絶滅危惧植物温室で展示しておりますので、ぜひ実物をご覧になってください。
尚、展示のカンアオイの中には寒さに弱い種類もある為、気温が上がってきてから15時までの展示になります。お時間にご注意ください。

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2月11日(土) 研修展示館 常設展示再開
こんにちは、登録室のTです。
短い周期で天気や気温が変化し、春が近づいていることを知らせてくれます。植物園でも、セツブンソウ、フクジュカイ、スイセン、クリスマスローズなど、早春を彩る花々が咲き始めました。暖かい日を選んでぜひお出かけください。

さて、蘭展準備のため1月10日から閉鎖していた研修展示館1階展示室を、2月11日(土)より公開いたします。これまで企画展のたびに、短い周期で常設展示を出したり引っ込めたりしていましたが、今回は6月下旬までと、久々の長期公開となります。現在公開中の2階の展示と合わせてゆっくりとご覧いただき、植物の不思議や絶滅危惧植物について知識や理解を深めていただければ幸いです。

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2月9日(木) 一年越しのチョコレートリベンジ
こんにちは。研究員の水野です。
この度、国立科学博物館公式YouTubeの「かはくのいろは」において、筑波実験植物園スタッフの方々が大活躍する動画がアップされました。その名も、
「植物園で育てたサトウキビから砂糖を作って、砂糖入りの手作りチョコを作ってみた。」【かはくのいろは 第6回】」 です。

実は、これは昨年実施した、
「チョコレートは何からできている?」【かはくのいろは 第4回】
の続編です。

今回は、チョコレートを甘くするべく、植物園内でサトウキビを栽培し、スタッフお手製の搾汁器を使ってサトウキビを圧搾しました。そして、水分を飛ばして粉末にした後、チョコレートに入れ、最終的には館長に召し上がって頂きました。

はたして、館長の評価はいかに・・・衝撃の結末が!?


間もなくバレンタインデーですね。
チョコレートの原料であるカカオや、砂糖の原料であるサトウキビについて、詳しく知ってみるのも面白いですよ。

植物園で実物のカカオにも会いに来てくださいね!!

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2月7日(火) 道具シリーズJ ★各栽培員が使っている道具類を不定期で紹介します★
屋外栽培班の二階堂です。

「腰道具シリーズ」として始めたこのブログを「道具シリーズ」とプチリニューアルします。植物管理に使ういろいろな道具類をより広くご紹介します。

私がこの度紹介したい道具は「自転車次郎号」。

園内の樹上で剪定をしていると、圃場エアコンの不具合が携帯電話に通知され、降りて圃場へ行って対処。打ち合わせの時間となり、圃場から現場へダッシュ。打ち合わせ後、資料の入った肩掛けカバンをどこかに忘れたことに気づき、園内を放浪。ようやくカバンを見つけ、樹上へ登ってノコギリに手をかけると、腰道具一式が腰についていない・・・。シクシクと樹を降り、グスグスとまた登るのでした。
まあ日々こんな感じで、歩数は多いと2万歩を超えます。そんな私を助けてくれるのが自転車次郎号。
植物管理七つ道具を常設するカスタマイズを繰り返しました。次郎号が側にいれば、いろいろ対処できます。問題はタイヤのパンク。園内は木片とかトゲが多いので、しょっちゅうパンクします。先日後輪のチューブを交換したら、補修パッチが14個貼ってありました。
それから年に数回、自転車を停めた場所も忘れます。浮かない顔で同じところを何度もぐるぐる歩いている時がその時。歩数が増えます。

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2月3日(金) セツブンソウがわずかに…
こんにちは。登録室のuです。
今日は節分。植物園のセツブンソウはどんな感じかな?と見に行くと、
地面すれすれのところに、ぽつりぽつりと小さなつぼみが顔をのぞかせていました。
フクジュソウの仲間のつぼみも出ています。少しずつ春が近づいていますね。
当園では間もなく 展示「早春の植物」 を開催します。
会期:2月23日(木・祝)〜3月24日(火・祝) ☆2/24と月曜は休園

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2月2日(木) 腰道具シリーズI ★各栽培員が使っている腰道具類を不定期で紹介します★
圃場スタッフのよっしーです。

水草栽培で使用する装備を一部紹介します!
※水草栽培道具1回目はこちら:2022年11月14日(月)ブログ
※2回目はこちら:2022年12月9日(金)ブログ

水草水槽、とくに展示水槽では見栄えが大切です。水面に浮かんだゴミや虫の死骸なんて見たくはないですよね。
今回は水槽内を見栄え良く維持する道具を紹介します。

@持ち手付ステンレス茶こし/水草のトリミング作業(水草の長さを揃え維持する事)後、水槽内に散らばった水草の葉、藻類、虫の死骸(照明を使用しているため虫が集まりやすく、何故だかカメムシとゴッキー!が多い)等をすくい出します。これを使用している理由は丈夫で小さく、小回りが利き、魚すくいネットでは攻められない隙間のゴミもすくい取る事が出来ます。この茶こしは100均のキッチンコーナーで入手可能です。

Aパイプ用ブラシ/フィルター(水槽の濾過装置)に接続されているパイプやホース類(画像2枚目と3枚目、各種フィルターのサイズに合わせてホースの太さも様々です。)ですが、長期間使用していると中身が汚れてしまうものです。そのような汚れを落とすのが、このブラシです。使用方法は、パイプやホースに差し込んで擦ります。結構力を入れて使用するので、掃除する対象の物を壊さないように注意が必要です。こちらは水槽関連用品のメンテナンス専用に売られていて、ホームセンター等でもこのちょうど良い細さと小ささ≠フ物を見つけるのはなかなか難しいです。こちらは素直にアクアリウムショップや通販で購入したほうが良さそうです!

B水彩画用筆/主に水草の葉の表面やレイアウト素材(流木や石)に付いた汚れ(水槽内に敷いている砂や土の微塵、アオミドロなどの藻類)を除去するのに使用します。特に水草の葉の表面は繊細で傷つき易いものが多く、手で取り除こうとすると、思わぬところで葉を千切ってしまったりと、ダメージを与えてしまいます。そんな時、この筆で優しくなでるように汚れを払ってあげると、ダメージを最小限に抑え、葉をきれいに維持することができます。
その他の用途としては、マングローブといった、水上に葉や枝がある植物に付く害虫を除去するのにも使用できます。
最近、プラモデル用の毛先が極細の筆を手に入れたので、使用感を試してみたいと思います!

今回は水槽関係の掃除に使用する道具について紹介しました。次回も水草栽培関連の道具を紹介したいと思います。

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