筑波実験植物園

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こんにちは植物園です

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5月24日(火) ショクダイオオコンニャクの実物大模型がやってきた!!(展示準備の舞台裏)
こんにちは。登録室のTです。
HPの【お知らせ】欄でも告知しましたが、研修展示館の常設展示に、新たに2つの巨大展示物が加わりました。世界最大級の<花>(花の集まり)をもつショクダイオオコンニャクと世界最小の植物のミジンコウキクサです。この2種が同じサトイモ科の植物と知った時の驚きは今も忘れません。いったい何がどうしてどうなって、世界最大と世界最小への道を辿ったのか知りたいですね。

ショクダイオオコンニャクの模型の大きさは約3メートル。その巨大模型が展示されるまでには、私が密かに【ガッツ屋外班】と呼んでいる当園のスゴイ裏方チームの大車輪の奮闘がありました。

@大型トラックで運ばれてきたとき、「当園には小さな運搬車しかないはずだよなぁ〜。こんな大きなもの、どうやって運ぶの!?」と思いましたが、そんな思いは杞憂でした。

A載せちゃいました!!「マジかぁ〜。」前しか見えないこの状態で、がたがた道をひた走り、とりあえず倉庫へGO!

B無事に倉庫に着いたはよいが、「どうやって中に運び込むの?」・・・その心配も取り越し苦労でした。搬入完了!!「こんなの朝飯前さぁ〜」(実際には昼飯前でしたが・・・)。

Cその圃場の倉庫から、またあの小さな運搬車に載せて、がたがた道をひた走り、やって来ました研修展示館。「天井につかえそう〜。大丈夫かぁ〜。」と思ったら、すっと斜めに傾けて合体、組み立て完了!!「はい、コンニャク。」記念撮影して作業終了。いやぁ〜、【ガッツ屋外班】男前軍団やなぁ〜。

さて、今回の展示、常設とは言え6月19日までの期間限定です。ショクダイオオコンニャクの巨大模型だけでなく、ミジンコウキクサの巨大模型も同時にお披露目です。肉眼では見ることが難しい最小植物の姿形もとくとご覧あれ!!

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5月21日(土) 巣箱プロジェクト|白化個体出現!
動物研究部・濱尾です。

園内の巣箱ではシジュウカラのヒナが育っていますが、ヒナの中に白い個体が現れました。
全身が真っ白の完全白化ではなく、色が淡い色素過少と呼ばれる白化現象です。
以前、植物園に黒化個体が現れましたが、いずれも非常に珍しいものです(黒いシジュウカラについては2017年2月15日のスタッフブログをご覧ください)。

今回は巣の中の9羽のきょうだいのうち1羽だけが白化個体でした。
昔は、白化個体は吉兆と言われましたが、白い個体は捕食者に見つかりやすく鳥にとっては不幸をもたらす可能性があります。このヒナは元気に育ってひとり立ちし、子を残すことができるでしょうか。
ヒナは5月19日に巣立ちましたが、こみいった枝葉の中で静かに暮らしているので観察が容易ではありません。見つけた方は hamao[at]kahaku.go.jp までお知らせいただけると幸いです。

※写真は許可を得た研究活動の中で撮影されたものです。

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5月17日(火) 砂礫地海岸性の天地返し
屋外栽培班の二階堂です。

雑草の芽生えと成長が盛んになってきました。
砂礫地海岸性区の砂浜の維持は雑草定着を防がなければなりません。一般的な除草では間に合わないので、地表の砂と地中の砂をひっくり返す天地返しを行います。バックホーのバケットでモリモリ掘り返し、その後はバケットの背中を使って平に均すのです。以前はトラクターで行っていました。これを年に最低2回行う事で、約50年間砂浜を維持しています。写真の左側にある小さい緑はキクバジシバリ。雑草のように見えますが、こちらは栽培展示している植物です。

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5月15日(日) 巣箱プロジェクト|論文が出ました!
動物研究部の濱尾です。
植物園内に36個の巣箱をかけて鳥の研究をしています。
その研究の一部が今回論文として出版されました。

濱尾章二・那須義次,(2022)鳥の巣と昆虫の関係:鳥の繁殖活動が昆虫の生息 場所を作り出す.日本鳥学会誌 71: 13–20.

(この号の注目論文に選ばれたので、学会員に限らずアクセス可能です。)

鳥の古巣から昆虫が見つかることがあります。巣材のコケや獣毛が集められていれば虫が発生するのでしょうか。今回調べてみたところ,卵がヘビにのまれるなどして早い時期に繁殖を失敗した巣よりも,ヒナが長く使った巣のほうでいろいろな種の虫が見いだされました。鳥が繁殖活動を営むことでいろいろな虫がすめるようになる,つまり鳥は虫が生息・繁殖できる場所を作り出しているわけです。

いま植物園の巣箱の中ではヒナが育っています。
遠くからやさしく見守ってあげて下さい。

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5月13日(金) カンボクの花が咲きそう♪ 白い、白い花だよ♪
こんにちは。登録室のTです。

一昨年も昨年も、「カンボクの花は咲きましたか」というお問い合わせをいただきました。聞きなれない植物名でしたが、私は、たまたま開花調査で樹名板のついていない木があり、気になってベテランスタッフに尋ねたところ「カンボク」という名前の木だと教えてもらってその名を知りました。

枝先に直径10センチ前後の散房花序を出し、中心部に小さな両性花が多数つき、その周りに白い装飾花がついています。一見ガクアジサイのような花ですが、他人の空似で、カンボクは、レンプクソウ科(旧スイカズラ科)ガマズミ属の落葉小高木です。当園ではW4(冷温帯落葉広葉樹林区)の一番奥のエリアに数本あります。

お問い合わせをいただいたタイミングが、蕾が硬い時期だったり、花が終わった後だったりして、ジャストタイミングでご案内できていませんでした。さて、今年はどうでしょう。・・・5月11日現在、装飾花は大きく目立ってきましたが、中心部の両性花はまだ開花していません。今週末あたり開花するかもしれません。

花だけでも見ごたえがありますが、若葉とのコントラスがひときわ美しいです。葉の形もちょっと変わっていますし、枝が鹿の角のように広がっている様も面白いです。花は昆虫たちに大人気。そして葉の裏には昆虫を待ち伏せするクモが潜んでいたりします。小さな命の営みをまるごと楽しんでいただければ幸いです。

*アジサイ科(旧ユキノシタ科)のツルアジサイ(W5)はもう咲いています。比べてみるのも面白いです。


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5月11日(水) ゾウコンニャクの花が咲いたぞう!
屋外栽培班の二階堂です。

熱帯雨林植物温室にて、ゾウコンニャクのずんぐりむっくりした花が昨日の夕方に咲きました!土の中にあるイモが象の足に似ていることからゾウコンニャクと呼ばれるとのこと。咲きたてほやほやの写真を撮ろうと近づくとまあ臭い。真夏に生ごみが入ったバケツの蓋を開けた時ぐらい臭い。これが咲いている「花」の香りとは到底思えない。数日間はわずかながら残り香があるので、ご来園の際にはぜひ嗅いでください。その鉢の近くには、過去5回咲いたショクダイオオコンニャクがまるで木のごとく葉を展開している姿もご覧になれます。

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5月9日(月) ウワミズザクラの実生が育っています。
屋外栽培班の二階堂です。

4月4日のブログでご紹介したウワミズザクラの実生がグングン成長しています。場所によっては絨毯のようになってしまい、特にシダ園のコンテリクラマゴケはほぼ覆われたので慌ててその周囲だけ抜きました。
実生の姿は見た目にまるでブロッコリーのスプラウトのようです。この体の中に数十年で大きな樹木へ育つ能力が秘められています。

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5月3日(火) メイキング・オブ・絶滅危惧生物展4
こんにちは
温室担当のこばやんです。

只今開催されています「絶滅危惧生物展」。
この展示のちょっとした工夫についてのお話です。
企画展の第2会場である多目的温室は、4月12日に常設展示していた植物の一部を圃場へ移動。
圃場担当のわっちーからバトンタッチされ、ディスプレイはこばやんの出番です!

企画展のディスプレイは毎回違います。
担当研究員が登録企画室の皆さんと相談して練りに練って決まります。
その企画にあわせての植物の展示は、温室や圃場担当者が作り込んで行きます。
お客様に伝わる展示を心掛けて、担当者それぞれの工夫がいっぱいです!

展示する植物は、企画展に合わせて温室・圃場担当者が準備するところからはじまります。
じつは植物の準備は1年以上前からはじまっています!中には数年かけて準備した植物もあります。
開花期間を合わせるために、温めたり冷やしたりと、植物を大移動させたりしながら開花調整した植物もあるのです。
栽培担当者の技術と努力が光ります!

ディスプレイは日本の森をぎゅっと詰め込んだイメージで作りつつ、
植物ひとつひとつのストーリーが伝わるように「見やすさ」を大事にして、展示台に高低差をつけてみました。
本来は地面に這いつくばって探さないと分からないようなカンアオイも良く見えます。

水生植物の展示は、なるべく自生地に近い展示にするため、枯れた水辺の草や落ち葉をわざわざ使うという憎い演出!
水草担当者の技が光ります!本当に水辺を覗いているような水槽です。

その他にも細かい工夫を随所にしています!細かな工夫は気付かれないようにしてるので、
お客様には展示を堪能していただけると思いますが、その裏には植物園スタッフの一人一人の技が隠れているのです。

「絶滅危惧種生物展」は5月8日まで、同時開催の「クレマチス展」は6月5日までです。
皆さまのご来園をお待ちしております。

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5月2日(月) メイキング・オブ・絶滅危惧生物展3
ふたたび研究員の奥山です。

現在開催中の企画展「絶滅危惧生物展―日本の生物多様性の過去、現在、未来―」では、研修展示館で、植物に限らず日本の絶滅の恐れのある動物や菌類についても各種のエピソードをご紹介しています。

その中で、筑波実験植物園に生息している環境省レッドリスト掲載種の昆虫2種、ニッポンハナダカバチとオオムラサキの標本展示がありますが、ここではさらに、生きているオオムラサキの幼虫も展示しています。

このオオムラサキの幼虫、今年の3月はじめに植物園内で越冬中の幼虫を2匹採集したものです。これを自宅の冷蔵庫でしばらく冬眠させ、自宅で育てているエノキ(オオムラサキの幼虫の食樹です)の葉が芽吹いた4月のはじめ、その枝をネットで覆い、その中に冬眠していた幼虫を1匹ずつ入れて目覚めを待ちます。待つこと1週間。ようやく幼虫が葉に食いついたのを確認してから本格的に飼育開始というわけです。

ところが…。なんと、そのうちの1匹はすぐに動かなくなり、ネットの中には茶色い小さな俵型のものが転がっているではありませんか。これは紛れもなく寄生バエの蛹です。つまり、この幼虫は昨年秋にすでに寄生されていて、命運は尽きていたというわけで、これが生き物の展示の難しさだとあらためて思い知らされました。

幸いもう1匹の幼虫は無事なようなので、4月末に脱皮をして、今は緑色になった姿でご覧になれます。ぜひ会期中もりもり葉を食べて大きくなる「はらぺこあおむし」にご注目ください。

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