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海藻和名問題

海藻の和名には,仮名遣いの不統一が問題となっているものが幾つかあります。「モズク」vs「モヅク」,「イワズタ」vs「イワヅタ」などは古くから議論がありますが解決に至っていません(金井 2008,新村 2008,北山 2008)。本リストに掲載している和名は,「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)に従っています。「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)では読みを確定出来ないものや,「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)に従っていないものの現在までに仮名遣い表記に乱れのないものについて,あえて直すことはしませんでした。そもそも,和名は学名と違い,厳格なルールはありませんので,本リストに掲載されている和名が「正しい」というものではなく,あくまで本リストについての方針です。ここでは,主に北山(2008)を参考に,仮名遣いに問題のある海藻を紹介します。(*本稿は未完成です。調査中及び作成中のところは空欄にしてあります。)

北山太樹 2008. 海藻の和名における仮名遣いの問題. 藻類 56: 233-236.*PDFファイルで見られます。

1. 仮名遣いの問題

「アリュウシャン」vs「アリューシャン」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば,「アリューシャン」が正しいと考えられます。ただし,現在まで仮名遣い表記の乱れはないため,本リストでは「アリュウシャン」を用います。

該当する和名

シマオウギ連 Zonarieae
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,フジマツモ科,ノコギリヒバ属
 岡村(1932)が「ありゅうしゃんのこぎりひば」として命名。

「オウギ」vs「オオギ」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば,「オウギ」が正しいと考えられます。

該当する和名

アリュウシャンノコギリヒバ Odonthalia annae
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科
 代表的な属の和名としてシマオウギ属(Zonaria)から付けられた和名です。

フタエオウギ属 Distromium
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連
 日本産唯一の種であるフタエオウギ(D. decumbens)から付けられた和名です。

フタエオウギ Distromium decumbens
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連,フタエオウギ属
 岡村(1902)が「ふたえあふぎ」として命名。

ヤレオウギ属 Homoeostrichus
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連
 岡村(1936)が「やれあふぎ属」として命名。

ヤブレオウギ Homoeostrichus flabellatus
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連,ヤレオウギ属
 岡村(1931)が「やぶれあふぎ」として命名。

ハイオウギ属 Lobophora
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連
 日本産唯一の種であるハイオウギ(L. variegata)から付けられた和名です。

ハイオウギ Lobophora variegata
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連,ハイオウギ属
  岡村(1902)が「はいあふぎ」として命名。

シマオウギ属 Zonaria
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連
  代表的な種の和名としてシマオウギ(Z. diesingiana)から付けられた和名です。

シマオウギZonaria diesingiana
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連,シマオウギ属
  岡村(1902)が「しまあふぎ」として命名。

エツキシマオウギ Zonaria stipitata
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連,シマオウギ属
  Tanaka & Nozawa (1962) が「Etuki-shimaogi」として命名。

ウスバオウギ目 Syringodermatales
黄藻植物門,褐藻綱
  日本産唯一の種であるウスバオウギ(S. abyssicola)から付けられた和名です。

ウスバオウギ科 Syringodermataceae
黄藻植物門,褐藻綱,ウスバオウギ目
  日本産唯一の種であるウスバオウギ(S. abyssicola)から付けられた和名です。

ウスバオウギ属 Syringoderma
黄藻植物門,褐藻綱,ウスバオウギ目,ウスバオウギ科
  日本産唯一の種であるウスバオウギ(S. abyssicola)から付けられた和名です。

ウスバオウギ Syringoderma abyssicola
黄藻植物門,褐藻綱,ウスバオウギ目,ウスバオウギ科,ウスバオウギ属
  松永・山田(1974)が「ウスバオオギ」として命名。

ヒオウギ Jania radiata
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属
 岡村(1936)が命名。

ヒメオオギイトグサ Polysiphonia flabellulata
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,フジマツモ科,イトグサ亜科,イトグサ属
  増田ら(1996)が「ヒメオウギイトグサ」として命名。現在のところ,「ヒメオウギイトグサ」とした文献はないようです。

1. 仮名遣いの問題

「カズノ」vs「カヅノ」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば,「カヅノ」が正しいと考えられます。

該当する和名

カヅノアミジ Dictyota cf. divaricata
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,アミジグサ連,アミジグサ属
 岡村(1913)が「かづのあみぢ」として命名。

カヅノホシノイト Stylonema cornu-cervi
紅藻植物門,ベニミドロ綱,ベニミドロ目,ベニミドロ属
 Segawa (1941) が命名。

カヅノイバラ Hypnea flexicaulis
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,イバラノリ科,イバラノリ属
 岡村(1916)が「かづのいばら」として命名。

「ズタ」vs「ヅタ」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)では読みを確定出来ないものの,北山(2008)に従い,本リストでは「ヅタ」に統一しました。

該当する和名

イワヅタ科 Caulerpaceae
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目

イワヅタ属 Caulerpa
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科

ヘライワヅタ Caulerpa brachypus
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヒナイワヅタ Caulerpa brachypus f. parvifolia
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ビャクシンヅタ Caulerpa cupressoides var. lycopodium f. amicorum
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ウツクシヅタ Caulerpa cupressoides var. lycopodium f. elegans
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ケイワヅタ Caulerpa fastigiata
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

フジノハヅタ Caulerpa fergusonii
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヒメシダヅタ Caulerpa filicoides
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

クビレヅタ Caulerpa lentillifera
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

センナリヅタ Caulerpa macrophysa
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

コツブセンナリヅタ Caulerpa microphysa
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

スズカケヅタ Caulerpa nummularia
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

フサイワヅタ Caulerpa okamurae f. okamurae
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

タテヤマヅタ Caulerpa okamurae f. oligophylla
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

タカツキヅタ Caulerpa peltata
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヒラエヅタ Caulerpa racemosa var. lamourouxii
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

エツキヅタ Caulerpa racemosa var. occidentalis
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

コハギヅタ Caulerpa racemosa var. racemosa
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

アマミノクロキヅタ Caulerpa scalpelliformis var. denticulata
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

クロキヅタ Caulerpa scalpelliformis var. scalpelliformis
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

サイハイヅタ Caulerpa serrulata var. boryana f. occidentalis
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヨレヅタ Caulerpa serrulata var. serrulata f. lata
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

タカノハヅタ Caulerpa sertularioides f. longipes
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

キザミヅタ Caulerpa subserrata
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

イチイヅタ Caulerpa taxifolia
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ウチワヅタ Caulerpa verticillata f. charoides
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

クロキヅタ Caulerpa scalpelliformis var. scalpelliformis
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

サイハイヅタ Caulerpa serrulata var. boryana f. occidentalis
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヨレヅタ Caulerpa serrulata var. serrulata f. lata
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

コケイワヅタ Caulerpa webbiana f. tomentella
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヒメイワヅタ属 Caulerpella
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科
日本産唯一の種であるヒメイワヅタ(C. ambigua)から付けられた和名です。

ヒメイワヅタ Caulerpella ambigua
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,イワヅタ科,イワヅタ属

ヒメヅタ属 Taenioma
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,コノハノリ科,コノハノリ亜科,ヒダトリギヌ連

ナンカイヒメヅタ Taenioma nanum
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,コノハノリ科,コノハノリ亜科,ヒダトリギヌ連,ヒメヅタ属

ヒメヅタ Taenioma perpusillum
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,コノハノリ科,コノハノリ亜科,ヒダトリギヌ連,ヒメヅタ属

1. 仮名遣いの問題

「チジミ」vs「チヂミ」,「チジレ」vs「チヂレ」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば,「チヂミ」,「チヂレ」が正しいと考えられます。

該当する和名

チヂミヒメイチョウ Udotea glaucescens
緑藻植物門,アオサ藻綱,ハネモ目,ハゴロモ科,ハゴロモ属

チヂミコンブ Saccharina cichorioides
黄藻植物門,褐藻綱,コンブ目,コンブ科,コンブ属

チヂレアカバ Neodilsea crispata
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科,アカバ属

「ハハキ」vs「ホウキ」
旧かなづかいの「ははき」は,「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)では「ほうき」となるため,「ハハキモク」は「ホウキモク」とするのが正しいと考えられますが,海藻においては「ハハキ」が定着しているので,本リストではそれに従いました。

該当する和名

タマハハキモク Sargassum muticum
黄藻植物門,褐藻綱,ヒバマタ目,ホンダワラ科,ホンダワラ属,バクトロフィクス亜属

「ビロウド」vs「ビロード」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば「ビロード」が正しいと考えられますが,海藻においては「ビロウド」が定着しているので,本リストではそれに従いました。

該当する和名

ビロウドガラガラ属 Galaxaura
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,ガラガラ科   代表的な種であるビロウドガラガラ(G. divaricata)から付けられた和名です。

ビロウドガラガラ Galaxaura divaricata
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,ガラガラ科,ビロウドガラガラ属

ヒビロウド属 Dudresnaya
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科
  代表的な種であるヒビロウド(D. japonica)から付けられた和名です。

ヒビロウド Dudresnaya japonica
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科,ヒビロウド属

ナンカイヒビロウド Dudresnaya hawaiiensis
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科,ヒビロウド属

クロシオヒビロウド Dudresnaya kuroshioensis
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科,ヒビロウド属

ヒメヒビロウド Dudresnaya minima
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科,ヒビロウド属

オキヒビロウド Dudresnaya okiensis
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,リュウモンソウ科,ヒビロウド属

「ホウズキ」vs「ホオズキ」vs「ホオヅキ」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば,「ホオズキ」と「ホオヅキ」のどちらも可となります。本リストでは,暫定的に「ホオズキ」を用いました。

該当する和名

ツクシホオズキ属 Acrocystis
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,フジマツモ科,イトグサ亜科,ヤナギノリ連
  日本産唯一の種であるツクシホオズキ(A. nana)から付けられた和名です。

ツクシホオズキ Acrocystis nana
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,イギス目,フジマツモ科,イトグサ亜科,ヤナギノリ連,ツクシホオズキ属
  岡村(1902)が「つくしほおづき」として命名。

「モサズキ」vs「モサヅキ」
本リストでは「モサズキ」を用いました。

該当する和名

モサズキ属 Jania
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科

ヒメモサズキ Jania adhaerens
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属

キブリモサズキ Jania arborescens
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属

ケヒメモサズキ Jania capillacea
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属

ウラモサズキ Jania nipponica
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属

サキビロモサズキ Jania ungulata
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属

エノシマモサズキ Jania yenoshimensis
紅藻植物門,真正紅藻綱,サンゴモ亜綱,サンゴモ目,サンゴモ科,サンゴモ亜科,モサズキ属

1. 仮名遣いの問題

「モズク」vs「モヅク」
「現代仮名遣い」(内閣告示 1986)によれば,「モズク」が正しいと考えられます。

該当する和名

ニセモズク属 Acrothrix
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科
  代表的な種であるニセモズク(A. pacifica)から付けられた和名です。

 

キタニセモズク Acrothrix gracilis
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,ニセモズク属

 

ニセモズク Acrothrix pacifica
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,ニセモズク属

 

オキナワモズク属 Cladosiphon
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科
  代表的な種であるオキナワモズク(C. okamuranus)から付けられた和名です。

 

オキナワモズク Cladosiphon okamuranus
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,オキナワモズク属

キシュウモズク Cladosiphon umezakii
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,オキナワモズク属

ニセフトモズク属 Eudesme
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科

ニセフトモズク Eudesme virescens
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,ニセフトモズク属

カラフトモズク属 Heterosaundersella
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科

カラフトモズク Heterosaundersella hattoriana
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,カラフトモズク属

フサモズク属 Myriogloea
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科

フサモズク Myriogloea simplex
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,フサモズク属

モズク属 Nemacystus
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科

モズク Nemacystus decipiens
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,モズク属

クロモズク属 Sauvageaugloia
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科

クロモズク Sauvageaugloia ikomae
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,クロモズク属

イシモズク属 Sphaerotrichia
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科

イシモズク Sphaerotrichia divaricata
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,イシモズク属

フトモズク属 Tinocladia
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科
  代表的な種であるフトモズク(T. crassa)から付けられた和名です。

フトモズク Tinocladia crassa
黄藻植物門,褐藻綱,シオミドロ目,ナガマツモ科,フトモズク属

ベニモズク属 Helminthocladia
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,コナハダ科
  代表的な種であるベニモズク(H. australis)から付けられた和名です。

ベニモズク Helminthocladia australis
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,コナハダ科,ベニモズク属

ホソベニモズク Helminthocladia yendoana
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,コナハダ科,ベニモズク属

アケボノモズク属 Trichogloea
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,コナハダ科
  代表的な種であるアケボノモズク(T. requienii)から付けられた和名です。

アケボノモズク Trichogloea requienii
紅藻植物門,真正紅藻綱,ウミゾウメン亜綱,ウミゾウメン目,コナハダ科,ベニモズク属

2. その他の問題

「ヤブレオウギ」vs「ヤレオウギ」
岡村(1931)はHomoeostrichus flabellatusを「やぶれあふぎ」と命名しましたが,岡村(1936)は,Homoeostrichus属の属名を「やれおうぎ属」,としています。

該当する和名

ヤブレオウギ Homoeostrichus flabellatus
黄藻植物門,褐藻綱,アミジグサ目,アミジグサ科,シマオウギ連,ヤレオウギ属

「エゾツノマタ」vs「クロハギンナンソウ」
Mikami (1965)は,Chondrus yendoiに対して「エゾツノマタ」,Iridaea cornucopiae(現 Mazzaella laminarioides)に対して「クロハギンナンソウ」と名付けています。吉田(1998)はC. yendoiを「クロハギンナンソウ」としており,和名に混乱がみられます。「エゾツノマタ」と「クロハギンナンソウ」は共に古くから用いられてきた名前のため,現在「新称」として発表された文献あるいは名前が登場する最も古い文献を調査中です。

該当する和名

エゾツノマタ? Chondrus yendoi
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,スギノリ科,ツノマタ属

クロハギンナンソウ? Mazzaella laminarioides
紅藻植物門,真正紅藻綱,マサゴシバリ亜綱,スギノリ目,スギノリ科,アカバギンナンソウ属

【引用文献】

金井弘夫 2008. イワズタ問題に寄せて. 藻類 56: 231.
北山太樹 2008. 海藻の和名における仮名遣いの問題. 藻類 56: 233-236.
松永圭朔・山田家正 1974. 北海道利尻島産の日本新産種Syringoderma australe Levring ウスバオオギ(新称:褐藻アミジグサ科)について. 藻類 22: 58-62.
Segawa, S. 1941. New or noteworthy algae from Izu. Scientific Papers of the Institute of Algological Research, Faculty of Science, Hokkaido Imperial University 2: 251-271, pls 55-58.
岡村金太郎 1902. 日本藻類名彙. 敬業社,東京.
岡村金太郎 1913. 日本藻類図譜第3巻第2集. 東京.
岡村金太郎 1916. 日本藻類図譜第4巻第X集. 東京.
岡村金太郎 1931. 日本藻類図譜第6巻第?集. 東京.
岡村金太郎 1932. 日本藻類図譜第6巻第?集. 東京.
増田道夫・工藤利彦・川口栄男 1996. W. H. Harveyによって日本から記載された紅藻の選定基準標本の指定. 藻類 44:32(Phycological Research 第43巻4号掲載論文和文要旨).
Mikami, H . 1965. A systematic study of the Phyllophoraceae and Gigartinaceae from Japan and its vicinity. Scientific Papers of the Institute of Algological Research, Faculty of Science, Hokkaido University 5: 181-285.
新村 巌 2008. 「モズク」と「モヅク」について. 藻類 56: 232.
Tanaka, T. & Nozawa, K. 1962. Some notes on the genera Padina and Zonaria in the south-western Islands of Japan. Mem. Fac. Fish. Kagoshima Univ. 11: 179-187.
吉田忠生 1998. 新日本海藻誌. 1222 pp. 内田老鶴圃,東京.