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標本の作り方

(作製編)


 
 

北山・渡辺(2003)より

 

B0.用意するもの
 

1.台紙
 厚みのある白いケント紙(たとえば、北雪ケント、ホワイト225kg)が適している。大きさはA4もしくはA3がよい。植物標本はA3が世界標準なので、それより大きい標本を作製することは、特別な目的がない限り、おすすめできません。

2.さらし布
 海藻が吸水紙(新聞紙)に接着するのを防ぐために必要です。綿100%、幅34cm、長さ10mのものを42cm(A3の長さ)ごとに切ると使いやすい。古くなったワイシャツを切ってつくった布も良いでしょう。最近は、不織布を使う人もいるようです。

3.吸水紙
 水を良く吸収する厚いボール紙。顕花植物の標本作製に使われている吸湿紙が最適ですが、新聞紙でも代用できます(見開き1枚分を折って使います)。

4.段ボール板 
 吸水紙が吸い取った水分を扇風機からの送風で気化する役割を持ちます。不要になった段ボール箱を解体して、A3の大きさに切ってつくることができます。このとき内部の波上の板紙(ラーメン構造)が見える面がA3の縦(長い方)になるようにします。

5.木の板
 乾燥中に重石を載せます。

6.ピンセット
 バットの中で海藻の形を整えます。 楊枝や竹串などでも代用できます。

7.鉛筆
 台紙に採集情報を書き込みます。ボールペンでもOKですが、水性のペンは作製中に水で滲むおそれがあります。硬さはHBかBがよい。

8.スロープ板
 バットの中にたてかけて海藻を広げるためのスロープにします。プラスティック製でもアクリル製でも可。片端を曲げて引っかかる部分をつくるか、クリップや洗濯ばさみなどでバットの縁にひっかけて使います。

9.バット
 水をためて海藻をスロープ板のうえで展開するのに使います。

10.水洗い用バット
 底の深い食器用のバットを転用します。採集後持ち帰った海藻をこのバットに入れて水道水で洗うのに使います。

11.ザル
 ステンレス製。流し台の排水口を詰まらせないよう、海藻の破片・小石・貝殻などを回収します。

12.重石(おもし)
 5~10kgくらいがよい。漬け物用の重石が使いやすい。

13.扇風機
 イラストの扇風機は旧式で、最近みかけるようになった首のないタイプが便利。
 

 
【引用文献】

北山太樹・渡辺真之2003. 藻類. In:国立科学博物館(編)標本学 自然史標本の収集と管理, 東海大学出版会, 泰野. 250pp