この地球上には数えきれないくらいの植物が生えています。美しい花も、野菜も、巨木も、水中の微細な藻類も、動物と同様、長い進化の歴史の中で生まれました。あらゆる生物は生物の多様性の中に身をおき、他の種の存在なくして生きていけません。人類は他の生物よりも、はるかに多くの植物の恩恵を蒙っています。筑波実験植物園の使命は、人類が将来も生き続けるために、植物の多様性を知り、守り、伝えることです。
植物はそれぞれの生育環境に応じて形態ばかりでなく、二次代謝産物など分子も多様化してきました。
また植物と植物、植物と昆虫、あるいは植物と菌類などとの共生や寄生など、ほかの生き物との関わりのもとに進化を遂げてきました。
当園では、DNAによる分子系統解析、染色体などの細胞分類学的観察、フラボノイドなどの成分分析などを行い、植物の多様性と進化を総合的に研究しています。