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- 3月25日(木) 「昆虫やばいぜ!」〜ナラ枯れ対策でラップ巻きました!
- こんにちは。登録室のTです。
「近頃園内でラップを巻いた奇妙な木を見かけるけど、ありゃ〜何だ?」と思っている方もいらっしゃることでしょう。ズバリ、これは「ナラ枯れ」対策です。
「ナラ枯れ」とは、「カシノナガキクイムシ(カシナガ)」が媒介するナラ菌が引き起こす伝染病で、ナラ類やシイ・カシ類などのブナ科の広葉樹が集団で枯死する現象です。国内では、1980年以降被害が拡大し、2020年度は42都府県で確認されたそうです。(ナラ枯れ発生メカニズムなどの詳細は林野庁HPが詳しい。)
園内では3月11日から作業を開始し、約200本の木にラップを巻く作業を行っています。カシナガは主として幹の低い位置の太い部分に侵入する性質のため、地上から2〜3mの高さまでをラップで覆うことで、カシナガの侵入の軽減及び繁殖を抑える作戦です。そのため男性スタッフ2人がかりで脚立を使っての作業となります。1本あたり約10分としても1時間で5〜6本、200本巻き終わるには30時間以上、1日3時間として約10日間を要する作業量です。
素人目には「息苦しそうで木がかわいそう。」と思ってしまいますが、植物園にとって植物を守ることは他の生態系を守ることでもありますので、必要な措置とご理解いただければと思います。
それにしても、体長わずか5mmの小さな虫が、10mを超える大木を、わずかの期間に大量に枯らしてしまうとは、「昆虫すごいぜ!」を超えて「昆虫やばいぜ!」です。
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- 3月23日(火) 早春の植物 カタクリ開花中
- こんにちは。登録室のuです。
このところ一気に春めいて、刻々と変化する植物たちから目が離せません。
今月2週目頃からカタクリが姿を現し、W3暖温帯エリアやH3温帯資源西・春の小路で開花中です。
H5筑波山の植物エリアでもちらほら咲き始めました。
春の小路の奥の方では黄花カタクリの小さなつぼみが顔をのぞかせていますよ!
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- 3月19日(金) 林の中で可憐に咲く花
- こんにちは、登録室のKYです。
快晴が続き日中の気温がぐっと高くなりました。園内でも春の花が次々に咲きはじめ、野鳥のさえずりと共ににぎやかに
なってきました。
白・黄色・ピンクと色とりどりの花が目立つ中、W2 温帯性針葉樹林区の通路沿いにひっそりと咲く花があります。
その名は「ミヤマシキミ」。ミカン科の低木です。
昨年12月頃に小さなつぼみが確認できましたが、3か月以上経っても膨らむ気配がなく気になっていたところ、今週やっと
開花しました。
花の直径は1cmほどの白いかわいらしい花です。樹木の高さが1mちょっとでほとんど気づかれずに素通りされてしまいそうですが、路の左手に目を向けてゆっくり歩いてみてください。小さな花たちが、気づいてもらえるのを待っています。
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- 3月17日(水) サクラの開花リレーも始まりました!
- こんにちは。登録室のTです。
日中の気温が15度を超える日が続くようになり、園内は春本番の花盛りです。当園に植栽されている野生種、園芸品種様々なサクラも開花リレーが始まっています。W3エリアのオオシマザクラ(早咲き個体)はもう満開を過ぎ、W7エリアのエドヒガンは五分咲きに、H2エリアのアマギヨシノザクラは3月15日に開花を確認しました。そして、H1エリアのソメイヨシノも、今にも咲き出しそうなほどに蕾を膨らませています。今週末の天気予報は雨、お花見をしたい人間には残念な予報ですが、植物たちにとっては恵みの雨となりそうです。
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- 3月12日(金) 早春の花々のリレー
- 研究員の村井です。早春の花々のリレーは中盤を迎えています。
岩礫地植物・山地性区画の「早春の花園」では、セツブンソウの花が終わり、ミスミソウやユキワリイチゲが見ごろを迎えています。ただしこれらの花は、天気が悪く寒い日や、陽が当たりづらい午前中は閉じている事が多いです。天気の良い日の特に午後には、写真のユキワリイチゲのように花がきれいに開きますので、ぜひご覧ください。
温帯資源植物・西区画の「春の小路」では、ウメとフクジュソウの花のコラボレーションがそろそろ終わりますが、今度は早咲きのスイセンやプリムラなどが開花をはじめています。クリスマスローズもだいぶ咲き揃ってきました。
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- 3月11日(木) 熱帯雨林温室で巨竹を伐る男あり!
- こんにちは。登録室のTです。
3月8日(月)の休園日、熱帯雨林温室低地林1階、ガラス側面そばにある巨竹が生い茂りすぎて光を遮り、ショクダイオオコンニャクの生育を妨げるということで、5本の内2本を伐採することが急遽決定し、その日の午後に実行されました。その伐採作業の一部始終を記録するために立ち会わせてもらいました。長文となりますが、普段見ることのできない植物園の舞台裏の活躍をご紹介いたします。
14:20 見上げると天井が見えないくらい巨竹の枝葉が拡がっている景色の中、作業員Nさんは、温室上部の梁からロープで巨竹の上(高さ15m付近)にアプローチしていましたが、枝葉が茂りすぎていて、下からその姿を見つけることはできませんでした。
14:30 まずは枝葉を刈り落とす作業からスタート。簡単に枝葉というなかれ!葉の大きさ約40p、枝の長さは5mを超えるものもあるため、複数のサポートスタッフが他の木に引っかかったものを棒でつついたり、他の植物を傷つけないように引っ張ったり・・・と、落下作業もひと苦労。
14:50 巨竹本体を上部から2〜3mの長さに切断し、ロープで下ろす作業を繰り返しながら、Nさんも徐々に降下していきました。自分の背丈より長い竹を担ぎ、向きを変えるたびにロープが大きく揺れました。本人は平然と作業をしていましたが、見ている方はずっとハラハラしていました。
16:00 1本目の伐採が終了、枝葉落としと合わせた所要時間は約100分。お茶を一口飲んだだけで2本目の伐採作業に取りかかりました。2本目は1本目より低い竹(低いと言っても10m超)で、所要時間は約25分。伐採された竹の直径は、大きい方が17.5p、小さい方が15p。東南アジアで育つ直径30pには及びませんが、ガラスに当てないように切り降ろすには、あまりにも大きい竹です。
連続120分の高所作業を、いとも簡単そうにやってのけたNさん。しかしその裏では、「ロープをかける、結ぶ、体を移動させる、切り株を下ろす」等々、1つひとつの作業をとても丁寧かつ慎重にこなしていました。上下でサポートするスタッフと声を掛け合って、自分だけでなく周囲の安全にも気を配り、一瞬たりとも気の抜けない、まさに命懸けの仕事でした。そんな危険な仕事を請け負ってくれるスタッフがいるからこそ、植物園の表舞台が整うのだということを改めて感じた貴重な経験でした。Nさん、そしてサポートスタッフの皆さん、お疲れ様でした。
余談ですが、この作業員Nさん、何を隠そう、武勇伝満載の「植物園で樹に登る」(2017年11月発刊)の著者・二階堂太郎さん、その人です。
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- 3月3日(水) 自生地再現水槽
- こんにちは、水草栽培担当の渡邉です。
2月27日(土)〜3月14日(日)まで、多目的温室にてミニ展示「植物園がつなぐ命−希少種保全の取り組み」を行っています。
その準備について少し紹介します。
希少種の1つ、水草ナガバエビモの展示にあたり、できるだけ自生地の水景や環境を再現したいということになりました。実際に自生地に行った方々から情報や、写真、映像をもとに「こんな感じかな?」というレイアウト用のイラストを描くことからはじめました。
それと同時に、レイアウトの幅を広げ、ボリューム感を出すため、約1か月前から展示に使用する水草(ナガバエビモ以外の種も)の増殖も栽培圃場で行ってきました。その結果、イラストとは多少配置にズレがあるものの、ほぼ思い描いた通りのレイアウトにすることが出来ました。
このように、希少な水草で組み上げられた水槽を間近で見られる機会は少ないと思います。
是非、筑波実験植物園へお越しくださいませ。
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- 3月2日(火) 早春の花々のリレーが始まりました!
- こんにちは、登録室のTです。
2月20日から始まった「早春の植物」。林床に咲くフクジュカイ、セツブンソウ、ミスミソウなどの花々も良いですが、可愛さにおいては木々の花々も甲乙つけ難し!です。
植物園正門北側のカワヅザクラが七分咲きとなり、ちょうどよい見頃を迎えています。小さなつぼみだったアセビもいつの間にか純白の花が鈴なりになりました。そして園内を優しいクリーム色に染めるトサミズキの花も、舞妓さんのかんざしのように垂れ下がってきました。足元でも頭上でも、早春の花々のリレーが始まりました。
木々の冬芽も徐々に芽吹き、鳥たちもさえずり始めました。3月の植物園は、動植物が日々刻々と変化してゆく様をご覧になれます。
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