2025年の『きのこ展』は「名前」を特集します!
みなさんこんにちは。きのこ展担当の保坂です。
猛烈に暑かった夏もようやく終わり(?)、いよいよ秋の雰囲気が漂ってきました。そして、筑波実験植物園で毎年秋に開催されているのが「きのこ展」。今年もその時期がやってきました。今年の開催は10/18(土)~10/26(日)の9日間。期間中は月曜日も含めて毎日開園しています。ぜひ植物園できのこにまみれてお楽しみください。
今回のきのこ展では、例年通り大量の野生きのこや栽培きのこを生の状態で展示します。眺めるのはもちろんのこと、匂いをかいだり、触ったり(ただし、優しくお願いします!)と、思う存分楽しんでください。
そして、室内展示のテーマはきのこの「名前」。和名、学名、地方名、方言名から外国での呼び名など、きのこの名前にまつわる様々なトピックを深掘りします。語源や、名づけ方のルール、どんなに頭をひねっても意味がわからない名前など、きのこ名前のミステリーに迫ります。科博のきのこ・地衣類・カビの専門家自身による、名前にまつわる最新の研究成果も紹介します!
そして植物園内では現在、大量の「マントカラカサタケ」(ハラタケ科)が発生中!年によってはちょうどきのこ展期間中に、それこそ300本以上が一気に発生することもある、高さが30cmを優に超えることもある大型のきのこです。ぜひきのこ展中にもう一度発生のピークを迎えてくれれば、と期待していますが、それはどうなることやら…

マントカラカサタケが食用きのこなのかについては、若干議論の余地がありそうですが、よく似た近縁種である「カラカサタケ」は人気のある食用きのこです。カサをぎゅっとにぎっても、離すとすぐに元の形にもどることから「にぎりたけ」とも呼ばれます(この特徴はマントカラカサタケも同じです)。ただややこしいのは、カラカサタケを「つるたけ」と呼ぶ地方があること。柄が細長い様子を鳥のツルに見立てた呼び名だと思います。ただし、和名で「ツルタケ」というとテングタケ科の全く異なる種のことを指します。さらにツルタケは毒きのこでもあります。ツルタケ、という名前だけ聞くとどちらのことなのか混乱するので、注意が必要です。
今回のきのこ展では、このようにいろいろなきのこの名前の謎に迫ります。園内の数か所には、きのこの名前に関連したクイズラリーも準備中。ぜひ体と頭を両方使って、きのこの名前に浸ってください。
きのこ展開幕は10/18(土)ですが、10/10(金)19:00~20:00にはライブ配信も予定しています。詳細はきのこ展HPで近日公開予定。ぜひまずここできのこの名前の謎に触れてください。
それではきのこ展でお会いしましょう!
前の記事へ