ホーム ≫ 学習 ≫ 学習支援プログラム ≫ 植物園でSDGsを学ぼう! ≫ テーマ:カカオ ≫ カカオ豆生産とカカオ農家支援の取り組み |
つくば市内に本社工場がある東京フード株式会社の皆様に、カカオ豆生産とカカオ農家支援の取り組みについてお話をお伺いしました。
取り組みをはじめたきっかけを教えてください
私たちの親会社である月島食品工業(株)の創業者である橋谷亮助が、インドネシア、スラウェシ島のゴロンタロ州に滞在経験があり、インドネシアへ強い思い入れがあり、インドネシアの留学生を支援する橋谷奨学会を設立しています。
この奨学生のOBの一人から、「ゴロンタロ州の森林保全のためにカカオの木を増やしていきたいが、収穫したカカオ豆を買ってくれるところを探している。現地のカカオ豆の品質が向上して買ってくれるところが増えれば現地農民の生計改善にもつながる。」と相談を受けたことがきっかけです。
当初はSDGsなど社会貢献といった発想はなく、ゆかりある人が困っているため、好循環を生み出せるようチェーンをまわせる手伝いができたらと考えてはじめました。後になって、この取り組みがSDGsにつながることに気がつきました。
企業の社会貢献からはじまったのではなく、シンプルな人助けの気持ちからはじまったのですね。
どのような取り組みをされていますか?
2016年からインドネシアにおける支援活動を開始しました。
手間をかけて良いカカオ豆をつくっていただき、適正価格での購入を目指して、以下のことを実施しています。
取り組みといってもさまざまで、栽培技術に限らず、発酵技術、農地整備、働きがい向上・・・多角的な支援が必要なのですね。
インドネシアでの活動地域を教えてください。
インドネシアのスラウェシ島北部、ゴロンタロ州ボアレモ県というところです。スラウェシ島にある6つの州の中では、貧困率が最も高いとされる地域です。
取り組みを進める上で、大変だった点を教えてください。
農家さんとの信頼関係が最も重要で、信頼関係を築くまでが大変でした。一緒に作業をして、収入改善の手伝いや農地整備も行い、心を通わせて、協力農家を増やしてきました。農業全般に言えることですが、1年では栽培改善は難しく、長期的な取り組みが必要です。地道な活動ですし、現地の言葉でのコミュニケーションが必要で、非常に大変でした。現地の関連会社などの協力もあって、今では良好な信頼関係が築かれています。
継続的な活動が実を結んだということですね。長い時間をかけた大変なご苦労があったことでしょう。
取り組みを進めてよかったと思ったことを教えてください
現地の協力農家さんが増えた(25軒ほどになった)ことです。
また、状態よい発酵したカカオ豆が入手できるようになるなど、うまくいったときですね。
これまでの苦労があったからこそですね!
取り組みを始めて、会社の中でどのような変化があったか教えてください。
色々とありますが、以下の3つが挙げられます。
取り組みによって、また別の活動に広がり、新たな関係も生まれたのですね。
同じ製菓業界や関連会社の取り組みや姿勢についても教えてください。
今後の課題、そして今後目指すことを教えてください。
長期的な取り組みの継続には、農家さんの自立が重要なのですね。今後に向けて人材育成も必要で、現地での教育支援なども重要と考えられますね。
最後に、中高生の皆さんにメッセージを聞かせてください!
塩見さん:ぜひ現地をみて、実体験して学んでほしいです。その際に現地のおいしいものもぜひ食べて欲しい。日本ではほぼ流通していないカカオパルプは現地でなら食べられます。カカオパルプも、年によって、木によって味がちがい面白いので、体験してみてください。
本麻さん:現地では生きているということを実感できることも良い点です。日々の体調管理が重要で、日が登り日がくれるまで働くことで、生きていると強く感じられます。あとドラゴンフルーツなど日本では珍しい果物がいくらでも食べられるところもオススメです。
中島さん:現地でしかわからないこと、楽しいこと、発見があり、勉強になります。
またカカオはとても奥が深い植物です。チョコレートになるまでの工程は長く、いろいろな部分を見ていくのも楽しいと思います。品種改良ほか、取り巻く環境改善など、やれることはたくさんあるので、興味を持ってくれたら嬉しいです。
みなさんには若いうちにいろいろ体験や経験を積んでもらいたい、ということですね!
本日は貴重な取り組みをご紹介いただきありがとうございました!