筑波実験植物園

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11月21日(木) 不思議な蘭《ディモルフォルキス》
こんにちは、登録室のTです。今週発行の「みごろの植物1019号」でも紹介していますが、現在、熱帯雨林温室1階で、《ディモルフォルキス・ロウィイ(Dimorphorchis lowii)》というランが開花しています。不思議なことに、同じ1つの株なのに、明らかに見た目の異なる2種類の花をつけています。

実は、当園では過去にも《ディモルフォルキス・ロッシイ(Dimorphorchis rossii)》というランが開花しています。2020年8月のことで、当時の【みごろの植物第865号(2020年8月7日)】で、遊川研究員が以下のようなコメントを寄せています。

「ひとつの花茎に2 種類の異なった色の花を咲かせる、とても変わったランです。花茎の付根の 2 輪だけは鮮やかな黄色なのに対し、その他の花はクリーム色に赤紫色の細かい点が入ります。また黄色の花は艶っぽい香りをふりまきますが、クリーム色の花は匂いません。花粉を運んでもらう昆虫に確実に受粉してもらうために進化した性質と思われますが、なぜこのような「咲き分け」にメリットがあるのか解明されていません。属名のディモルフォルキスは、ギリシャ語で「2型のラン」という意味で、花のこの特徴にちなみます。この種はボルネオ島サバ州の限られた場所の標高500 1,200m の林の木に着生し、 1989 年に発表されました。」

《ディモルフォルキス・ロッシイ》は、付け根の2 輪が黄色で残りがクリーム色という花色でしたが、《ディモルフォルキス・ロウィイ》は、最上部の花は黄色に赤褐色のまだら模様、下部に垂れ下がる花々は赤褐色と白のツートンで、遠目からでも違いがはっきりとわかる2種類の花を咲かせています。図鑑でもなかなかお目にかかれない珍しい蘭です。ぜひこの機会をお見逃しなく!

【予告】 2024つくば蘭展は、2025年3月16日(日)〜3月23日(日)開催です。



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11月19日(火) 植物園の紅葉は今・・・
こんにちは、登録室のTです。11月とは思えないほど暖かな日が続いていましたが、日本列島に今季一番の寒気がやってきたようで、今日から12月下旬頃の気温へと急降下。そのおかげで、木々の紅葉がまた一段と進みそうです。

11月18日現在の植物園の紅葉状況は、ご覧の通りです。
@正門のケヤキ・・・黄色から茶色へと変わり、落葉も始まっています。
Aプロムナードのメタセコイア&セコイア・・・メタセコイアの黄葉が濃くなり、常緑のセコイアとのコントラストが一層際立ってきました。
B水辺のラクウショウ・・・対岸からワイルドな茶褐色が目立っています。
Cクレマチス園前のムクロジ・・・黄色くなった羽状複葉が青空に美しく映えています。
Dドウダンツツジ・・・燃えるような赤
Eウワミズザクラ・・・ほんのりと染まる赤

冬鳥のジョウビタキやマガモが飛来しています。鳥の声を聴きながら、正門から奥の森のエリアまで、色づく秋をお楽しみいただけます。ご来園お待ちしています。

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11月5日(火) 新作追加! 動画「植物園ではこんなことをやっている」
園長の細矢です。
植物園の活動を支える人たちの活動を紹介するショート動画(いくつかはちょっとはみ出していますが)「植物園ではこんなことをやっている」。新作(No13〜16)をいくつか作成して公開しました。過去の作品も含めてこちらからリストがご覧になれます。

これを見てから植物園に来れば植物園の見方や楽しみ方がまた変わること間違いなし! 

秋の植物園をお楽しみになる際に、ぜひ御覧ください。

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