サクラソウ属の植物には品種改良によって多くの園芸品種が作出されています。その中でも花の色や形が極めて多彩な品種群のひとつがプリムラ・ポリアンサです。
本展では、特にプリムラ・ポリアンサに焦点をあて、これらの誕生の歴史を紹介します。また、あわせて、日本人が古来より長い間親しんできた日本さくらそう園芸品種から百種類以上を一挙公開します。江戸文化の様相を示す日本のさくらそうとヨーロッパで育成されたプリムラポリアンサを比べることで、花に対する感覚の違いが見えてきます。
ひな壇にサクラソウを飾るという江戸時代の鑑賞方法を再現します。
プリムラ・ポリアンサは、primrose(Primula vulgaris)、cowslip(Primula veris)、oxlip(Primula elatior)の3種を交雑してできた園芸品種で、極めて多様な品種が今日までに成立しています。これらの品種の多くは、1950年代にアメリカで改良された品種「パシフィック・ジャイアント」が育成に関わっています。
プリムラ・ポリアンサの学名の「×」は種間交雑に起源することを表しています。