生物多様性は人為的影響により急速に失われつつあり、現在起こっている絶滅の状況は、かつての大量絶滅に匹敵すると言われています。日本の野生植物でも4分の1(7,000種類のうちの1,700種類)が絶滅の危機に瀕しています。その原因を追求するとともに、絶滅危惧植物を植物園で保全し、展示しています。
残念なことに日本の植物約25%が絶滅の危機に瀕しています。下のシンボルマークは4種類に1種類の植物が絶滅の危機に瀕していることを心に留め、これ以上絶滅危惧植物が増えないようにとの願いがこめられて考案されました。
タイワンシシンラン(イワタバコ科) |
コシガヤホシクサ(ホシクサ科) |
シビイタチシダ(オシダ科) |
リュウキュウアセビ(ツツジ科) |
クモイジガバチ(ラン科) |
キイロジョウロウホトトギス |
ガシャモク(ヒルムシロ科) |
植物は、食物網を通じてだけでなく共生・寄生などさまざまな生態的関係によって他の生物とつながっています。ある植物が絶滅すれば、関連する他の生物が次々と影響を受けます。「蟻の穴から堤も崩れる」ように、1種の植物の絶滅といえども、多くの生物の生存が脅かされかねません。
植物は、自然環境の重要な要素であるだけでなく、生物資源です。私たちはこれまで、全植物の10%以上の種や、数多くの品種を生活の隅々で利用してきました。現在利用していなくても、どんな植物でも将来何らかの形で利用できる可能性があります。次世代の人々が豊かに生活するために、生物多様性を保全することが必要です。
食糧
食用(イネ,イモ,さまざまな植物)
油料(ベニバナ,オリーブ)
糖源(サトウキビ,テンサイ)
飲料(チャ,コーヒー)
香辛料(トウガラシ,コショウ)
飼料(トウモロコシ,イネ科,マメ科植物)
薬用
薬用(センブリ,メグスリノキ)
有毒(トリカブト,ヒガンバナ)
精油(ラベンダー,イランイランノキ)
鑑賞
庭木(ヤマボウシ,アジサイ)
生け花(センリョウ,ユリ)
観葉(テイカカズラ,シノブ)
造形
木材(スギ,ヒノキ)
繊維(パナマソウ,タケ)
樹皮(ヒノキ,コルクガシ)
ゴム・樹脂(ゴムノキ,アカシア)
染料(アイ,キハダ)
その他,エネルギーなど様々な目的に利用している。
参考文献 世界有用植物事典
チャノキ(飲料) | |||||
カカオ |
パナマソウ |
コショウ(香辛料) |
コーヒー(飲料) |
クリ(食用) |
スギ(木材) |