筑波地区には、筑波実験植物園(一般に公開)と標本庫(一般には非公開)があります。筑波実験植物園では、生きた多様な植物を収集・保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を推進しています。
収集保全している植物をもとに、日本および世界の様々な植生環境を再現し、植物の形態や生態の多様性を体験的に学習できるよう展示植栽を行っています。
自然の景観と植物多様性を凝縮した約14 万uの園内には、中部日本等の植物が屋外に植栽され、世界の熱帯や乾燥地、熱帯降雨林などを代表する植物を植栽した施設があり、心身に憩いを与える場としても工夫しています。特に、日本を中心としたアジア地域の植物コレクションが充実し、植物学全般に関わる高度な学習および研究の場としてふさわしい環境を提供しています。
標本庫には150万点を超える標本を収蔵し、国内外の研究者に利用されています。標本は分類群ごとに保管され、維管束植物標本庫には、種子植物とシダ植物約90万点の押し葉標本を、コケ類標本庫には約20万点の標本を収蔵しています。大型藻類は約3万5千点を数えます。微細藻類の多くは、多種が混在した液浸状態で保管され、世界各地から採集された標本は4700点にのぼります。菌類は約21万点、地衣類は約15万点、変形菌は約5万7千点の標本を収集保管しています。これらの植物標本の適切な管理とさらなる活用を図るため、データベース化が進められています。
筑波実験植物園には研究組織として植物研究部があります。
植物研究部は、分子系統・形態・遺伝子解析を通じて、植物、藻類、菌類など、動物を除く全生物の多様性、系統および進化を明らかにする研究を以下の3つのグループで研究しています。
その他、他研究部と横断的に取り組んでいる総合研究や特定のテーマに焦点をあてた重点研究をおこなっています。
植物研究部の行っている研究の詳細につきましては研究のページをご覧ください。