植物名 |
キツネノカミソリ |
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学 名 |
Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea |
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科 名 |
ヒガンバナ Amaryllidaceae |
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旧科名 |
ユリ LILIACEAE |
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園内の花 |
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解 説 |
山野に生える多年草。有毒。りん茎の高さは50cmほどで、40~70cmの帯状で光沢のある葉を広げる。夏に何もない地面から花茎を出して花を咲かせたかと思うと、また地上から消えてしまい、春にようやく葉が出てくる。地下にはチューリップのような鱗茎が埋もれていて、栄養や水を蓄えている。 |
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研究者ノート |
夏、何もない地面から突拍子もなく花が現われたかと思うと、また地上から消えてしまい、春にようやく葉が出てきます。地下にはチューリップのような鱗茎が埋もれていて、栄養や水を貯えています。私たちはヒガンバナ科の進化の道筋を、DNAの塩基配列を調べて明らかにしました。キツネノカミソリなどヒガンバナ属の起源はアジアの西の乾燥地にあって、さらに時代をさかのぼると、地中海沿岸が故郷のスイセン属など同じグループだった可能性が高いのです。どうやら、ヒガンバナ属が鱗茎を作って夏に休むライフサイクルは、夏の乾きがきびしい地中海性気候に適応した先祖の性質を、そのまま残したもののようです。「春植物」と呼ばれるカタクリなども、夏に地上部が消える点でよく似ていますが、これは夏に暗くなってしまう落葉広葉樹林の林床に適応した進化で、キツネノカミソリとは異なった原因で成立したのだと思います。(遊川知久) |
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自然分布 |
北海道、本州、四国、九州 |
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絶滅危惧ランク |
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日本固有 |
- | 筑波山分布 |
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園内区画 |
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