植物名 |
コシガヤホシクサ |
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学 名 |
Eriocaulon heleocharioides Satake |
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科 名 |
ホシクサ Eriocaulaceae |
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園内の花 |
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解 説 |
ため池の岸辺、湿った河原に生育する一年草。湿地だけでなく水中でも生育し、水深に応じて花茎を伸長させる。頭花は水面上に出ていないと結実しない。花期は7月-9月。果期は9-11月。地下茎は短く直立し、倒卵状で長さ10-15cm。葉は束生し、線形で長さ7-15cm、幅3-4mm、先は鋭く尖る。花茎は多数ついて高さ10-30cm。 |
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研究者ノート |
コシガヤホシクサが唯一茨城県砂沼に残っていた理由と、1994年に絶滅してしまった理由は実は背中合わせの関係にあると考えています。春から夏までは水深が1m以上あるため水中生活をし、水田への水供給が必要なくなる秋に花を付け種子を落とします。秋に水位が下がらなかったのが絶滅原因ですが、春から夏に水位が高いことも実は重要と考えています。植物園で栽培している時は常に水位は低く、葉が水上に出る状態でよく生育します。しかし、砂沼の環境がそうだった場合には、おそらく他の湿生植物との競争に勝てなかったかもしれません。水中でも水上でも生育できるコシガヤホシクサこそが生きられる砂沼の環境が、稀少な植物を長年維持していたと考えられるのです。まさに運命的な巡り合わせです。 (田中法生) |
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現場の目 |
2008年秋、水利関係者の理解と協力により秋季~冬季水位の低下が実現されたため、唯一の自生地であった砂沼で播種実験を行うことができました。しかし、春季~夏季は水位が上がり、その成長過程を陸上から目視できないため、ウエットスーツを身にまとい、更にウエイト、ゴーグル、シュノーケルと完全装備し、沼に潜って調査します。好んで潜る人はまずいないであろう水の濁りのため、沼底ぎりぎりの位置に顔を近づけないと小さな本種を確認するのは難しいです。また、時折水を飲んで翌日お腹の調子が悪い調査員が出る等、現地調査は苦労も多いですが、多くの個体を確認できたときの喜びは格別です!以前のような群落に一歩でも近づけるよう励んでいきたいと思います。(小幡智子) |
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自然分布 |
埼玉県越谷市・茨城県下妻市(いずれも絶滅) |
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絶滅危惧ランク |
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日本固有 |
- | 筑波山分布 |
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園内区画 |
中央広場、圃場 |
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「おすすめ」 |
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