グラマトフィルム・スペキオスム(Grammatophyllum speciosum)は、世界でもっとも大きいランです。自生地では茎の長さが7メートルあまり、植物体の重さは2トン近くになることもあります。ひとつの株に10,000輪が咲いた記録もあります。
東南アジア、ニューギニア、ソロモン諸島の低地の木の幹に生える本種は、日本でめったに開花することがありません。自生地でも開花は気まぐれで、数年にいちどしか咲かないことがふつうです。 筑波実験植物園では、遺伝子情報からラン科の進化の道筋を明らかにする研究を進めていますが、グラマトフィルム属はシュンランの仲間であるシンビジウム(Cymbidium)属にもっとも近いことが明らかになっています