西洋医学の伝道者として名高いシーボルトらによって日本原産のカザグルマ、中国原産の
ラヌギノーサや
テッセンなどがヨーロッパに渡りました。とくにカザグルマは1850年代のヨーロッパで多種との交配親として重用され、今日のクレマチス発展に大きな役割を果たしたました。交配親として世界中で親しまれ、茶花や伝統工芸品の描画題材にされてきたカザグルマですが、日本から朝鮮半島に限られて分布する絶滅の恐れがある種です。本企画展では、絶滅危惧種カザグルマを中心とした
野生種(原種)のコレクションを展示するほか、園芸品種もあわせて、約200種類のクレマチスおよそ1200株を公開いたします。
野生種カザグルマ2
野生種カザグルマ3
一般的に「クレマチス」と「テッセン」は同じものと考える人が多いようですが分類学的には「クレマチス(Clematis)」は属(園芸品種を含む 約2800種類全体)を指すラテン語の学名で、和名のテッセン(鉄線)はこの中の1種(学名:Clematis florida)をさします。つまりテッセンは学名にするとクレマチス家のフロリダさんで、クレマチス家は約2800種類の大家族です 。
日本文化に根付いたテッセンの名のイメージは「細い蔓に皿状の大きな紫色の花をつけるもの」を指すことが多いようです。よってトケイソウもテッセンの仲間と思っている人もいますが、分類学的にはオシベとメシベ多数のキンポウゲ科とオシベ5本とメシベの花柱3本の
トケイソウ科(多数のおしべのようなものは副花冠)に属し、まったく異なるものです。さらに本物のテッセンは花がやや小型の白色でオシベやメシベが弁化した植物を指すので、このイメージのものはカザグルマかC.ラヌギノーサの性質を受け継いだものと思われます。どこかで実体とイメージがずれてしまったものですが「テッセンの仲間=クレマチス」には間違いありません。
このグループは世界ではクレマチス属、日本ではセンニンソウ属、中国では鉄線蓮属といいます。
クレマチス家の家族たち(クレマチス園)
シロバナハンショウヅル
クサボタン
カザグルマ系
ジャックマニー系
ラヌギノーサ系
アトラゲネ系
モンタナ系
インテグリフォリア系
テキセンシス系
ウィティケラ系
クレマチス家の家族たち(熱帯雨林温室)
キイセンニンソウ
リュウキュウボタンヅル
ムニンセンニンソウ
*時期によりご覧いただけない花がございます。
お車でのアクセス
常磐自動車道 桜土浦I.Cから北(筑波山方面)へ約8km
電車・バス
つくばエクスプレス「つくば駅」より関東鉄道バス「テクノパーク桜循環」行きにて「筑波実験植物園前」下車、徒歩3分 ※つくば駅から約3km
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無料入園日 *終了
5月4日と5月18日は無料入園日です。
*毎週月曜日は休園日です。5月3日は開園いたします。ただし、5月6日(木)は休園とさせていただきます。
筑波実験植物園の利用案内(詳細)
生物多様性
2010年は国際生物多様性年
筑波実験植物園は、かはく生物多様性シリーズ2010関連施設です。
お問合せ等
国立科学博物館 筑波実験植物園
TEL:029-851-5159
Accsess:〒茨城県つくば市天久保4-1-1